意識的、あるいには無意識的であるかはさておき、今、自分が進めている仕事の「答え」が“上司の中にある”と考えている人が、とても多いように感じます。
僕はすべての仕事の答えはいつも消費者や地域にあって、上司やクライアントの中には「ない」と考えて、仕事をしてきました。
もちろん、だからと言って、上司のチェックや決裁をすっ飛ばしたり、クライアントの意向を無視していいというわけではまったくないのですが、お金を出してくれる企業や自治体が求める結果はあっても、「答え」を持っているのは、やはり消費者や市民なのです。そして、その「答え」は過去の記事『「大きい主語」より「小さい主語」』でも書きましたが、それぞれに違う。だから仕事は難しいし、面白いのです。
いずれにしても、「答え」は上司の中にはないので、仕事で結果を出して、喜んでもらいたいなら、小さな主語に意識をして、真摯に耳を傾け、“答えらしきもの”を粘り強く見つけに行くしかない。僕はそうやって教えてもらっていたので、「答えは俺(=上司)の中にある!」と豪語する上司を前にしても、その答えを探そうとはせず、小さな主語に意識を集中させて、答えを探してきました。
その考えをぶらさずにやってきてよかったなと思うし、そうやっていくべきだと自信を持って言えるのは、しっかりと考えて、自分なりの答えを出すと、そう豪語していた上司も納得してくれることが多かったし、最終的にクライアントが求める成果を上げることができたからです。
答えは、誰が持っているのか?
そこを見失うと、次の一歩も、目指すゴールも見失うのです。