誰でも日々の仕事の中で、小さな違和感を感じることがあります。「これって、本当にこうするべきなのかな」「もっといい方法があるんじゃないかな」「なんだか無駄な作業が多い気がするな」という程度の…。でも、ほとんどの人は「今のやり方で困っているわけじゃないし」「変えるのは面倒くさいな」と、その違和感を無視してしまうのです。
とある会社の人事部長から相談を受けました。
「うちの若手社員に行動力がないんです。指示されたことはやるんですけど、自分から何かを変えようとか、改善しようという姿勢が見られなくて…」と。話を聞いていくと、その会社には"気づき"を共有する仕組みがないことがわかりました。朝礼でもミーティングでも、違和感や疑問を発言する機会がまったくない。だから誰も自分が感じた違和感を言語化する習慣が身についていないのです。
実は、行動力の源になるのは、この「小さな違和感」なのです。 違和感に気付き、それを言語化し、誰かと共有する。この小さな行動の繰り返しが、やがて大きな行動力になっていく。逆に、違和感を無視し続けると、次第に「気付く力」も「行動する力」も衰えていってしまう…。
個人的な経験を話すと、行動力のある人は必ずノートやスマートフォンのメモ帳に、日々の違和感を書き留めています。それも、その場で。後回しにはしない。だからこそ提案の引き出しが多いし、周囲からも「あの人は何でも気付くよね」と言われるわけです。結果として、次第に「違和感に気付く→言語化する→共有する→改善案を考える→行動する」というサイクルが自然と身についてくるのです。
もちろん、すべての違和感に価値があるわけではありません。でも、違和感を大切にする人は、必ず行動力のある人に育っていきます。なぜなら、違和感とは「もっとこうなったらいいのに」という理想が見え隠れしているから。その理想に近づくために、自然と行動が生まれてくるのです。
小さな違和感を大切にする。メモを取る。誰かと共有してみる。 行動力を高めたいなら、まずはそこからはじめてみてはどうでしょうか。