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日本の陶磁器は、「売上げ」と引き換えに、自分たちの「価値」を下げてはいけない

8月1日から今日まで、僕らのオフィスのある人形町で「人形町せともの市」が開催されてました(今日は最後の一行だけでも読んで帰ってください)。

 

水天宮交差点から人形町交差点までの歩道に露店が並び、賑わいを見せる陶器市。今日もランチ後にふらふらと見て回ったのですが、危険な猛暑の中でも、結構な数の人が訪れ、器を手に取られていました。ちなみに公式ホームページには、有田焼、伊万里焼、唐津焼、波佐見焼、美濃焼、常滑焼、万古焼、萩焼、九谷焼、砥部焼、笠間焼、益子焼、小鹿田焼、小石原焼と、名だたる産地が出品しているとあります。

 

賑わうこと、売れることは素晴らしいことです。
ただ、やはり僕が「人形町せともの市」を見て強く思うのは、『「売上げ」は、「価値」とともに上げていくべきだ』ということ。

 

何を言いたいのかをストレートに書くと、売り方が良くない。
「3個で◯百円」という手書きのプレートとともに、ダンボールやザルに雑に入れられて(並べられてすらいない…)売られているわけです。公式ホームページには確かに「価格も年に一度の大蔵払セールとして各社特別価格で出品しております」とありますが、でもお客さんは、そんなふうには思わない。

 

「安く買える(売られている)器」
そう認識するわけです。「百均で買うなら、値段も変わらないし、◯◯焼って言えるほうがいいよね」と。

 

では、そのお客さんが、別の機会に4桁(1000円以上)の値がついた◯◯焼を買うかと言えば、正直かなり厳しい…。安く買えるもの、雑に並べられていたイメージがついたものに、多くの人は価値を見出せないものです。

 

改めて書きますが、賑わうことは大事で、売れることは大事。その日にしっかりと稼ぐことは、とても大事なことです。
でも、売上げと引き換えに、自分たちの価値を下げてはいけない。価値を感じなくなる人を量産する売り方はよくない。最後には、自分たちの首を締めることになりますから。

 

安売りするにしても、お客さんにどんなメッセージを届けるか? どんな売り場をつくるか? 売り方は大事です。そこについては今後も、僕なりに声を上げていきたいと思います。
(商社や窯元が、作り手の価値を下げるなんて許さないよ…という話は、改めて違う場所でじっくりとさせていただきます)