自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

情熱大陸にも出演した“あの職人さん”も、「技術だけで食べていければ、楽ですよ」と言っている

ニッポン手仕事図鑑がまだ初期の頃に、映像を撮らせていただいた靴職人、村上塁さん。情熱大陸に出演後、全国から注目される職人さんになりましたが、今でも気兼ねなくお話ができる関係でいてくれます。ちなみに、製硯師の青栁貴史さんも情熱大陸に出演されたあとも仲良くしてくれているのですが、改めてここで書いておきたいのは、「ふたりとも情熱大陸よりも先に、ニッポン手仕事図鑑が注目し、映像を撮っている」ということ。はい、ただの自慢です…。

 

小ネタはさておき。
先日、久々にゆっくり村上さんとお話をしたのですが、そのときに村上さんが“変わらずに語っていた”のが、このフレーズでした。

 

「技術だけで食べていければ、楽ですよ」

 

誤解のないように先に書いておくと、村上さんの靴修理の技術は、間違いなく日本屈指です。でも、その村上さんが断言しているのは、「村上塁という職人は、技術ではなく、接客(=コミュニケーション)で食べている」ということ。

 

村上さんはお客さんから修理の依頼があったとき、少なくても2〜3時間は話を聞いて、理想とする完成形をしっかりとイメージしてから修理に入るのですが、そのコミュニケーションがあってこそ、お客さんは気持ちよく依頼ができるし、どのように修理してほしいか? リデザインしてほしいか? というイメージからズレない仕上げができる。そして、また同じ靴、別の靴の修理を頼んでくれる。さらに書くと、靴を大事に履き続ける習慣もできていく。

 

どんなに技術が高くても、お客さんのイメージと違えば満足はしないし、気持ちよく依頼ができなければ、次も頼もうとは思わない。
やっぱり情熱大陸という番組が取り上げるだけあって、話すたびに見習うべきこと、学べることが多々ある。村上さんと話をすると、僕もまだまだ貪欲に、成長したいと思わせてくれるのです。