僕は今、新しいチャレンジをしながら、日々楽しく仕事をしています。44歳の今もそう言えるのは、僕が「師匠」と呼ぶコピーライターの存在が大きい。
その師匠は、25歳のときに転職して入社した会社の上司。ビジネスマンとしての立ち回りの基本から企画書やキャッチコピーの書き方まで、あらゆることを教えていただき、今も日々の仕事に生かせています。
「トータルサービスで勝負するんだ!」
師匠が口癖のように、僕に伝えてくれていた言葉。
コピーライターの仕事は、商品である「キャッチコピー」を納品すること。でも、それだけを納品して、満足してもらえればいいわけというではない。つまり、レストランが美味しい料理を出せばいいというわけではないのと同じ。気持ちの良い接客や居心地の良い空間づくりも大事。もちろん、料理を出すタイミングによって、同じ料理でも満足度は変わる。そう、評価の高いレストランほど、提供する商品(料理)だけで勝負していない。
師匠はいつも、トータルサービスを意識していました。
プロジェクトのキックオフとなる打ち合わせ前からサービスの提供がはじまり、納品したあとまでサービスの提供は続く。たとえば、打ち合わせの前日までに競合他社の情報を集めて共有し、納品後も独自にリサーチをして、広告の反響や反省点をまとめたりする。すべて、頼まれていないことです。
それは信頼されるし、リピートしたいとも思う。
提供するサービスのみで勝負できるのは、一部の天才や巨匠だけ。僕らはやっぱりトータルサービスで勝負しないと生き残っていけないと思うのです。これからの時代は特に。