自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

そのスキルや技術を、待っている人がいる(けど、なかなか巡り会えない…)

テレビで紙漉きを観たことがある人も多いと思いますが、手漉き和紙をつくるとき、「簀(す)」と呼ばれる道具を使います。簀はとても細い竹ひごを絹糸で編んだ道具で、わかりやすく説明をすると、簾(すだれ)のようなものです。

 

和紙づくりにはなくてはならない道具ですが、簀に使う細い竹ひごをつくれる職人さんが少なくなってしまったため、和紙の産地では困っている職人さんがとても多い。だから皆さん、本当に大切に使っているのです。

 

でも一方で竹細工の産地に目を向けてみると、簀に使えるくらいの竹ひごをつくれる職人さんがいたりする。ここがマッチングされていないので困っている人が多いわけですが、竹細工の職人さんの技術を欲しているのは、消費者だけではないのです(僕は竹細工の職人さんの新たな収入源になると考えています)。

 

もうひとつ例を挙げると、鍛冶職人さんがつくる火ばさみなども同じです。「火ばさみが手に入らなくて…」と困っている職人さんがいる一方、自分たちが使う火ばさみをパパっとつくってしまう職人さんがいる。そう、こんなふうにマッチングされていないケースは、探せばいくらでも見つかったりする。

 

これは伝統工芸の職人さんだけでなく、あらゆるビジネスシーンで言えること。
なかなか巡り合わないものですが、あなたのその技術やスキルを待っている人は必ずいる。諦めたらそこで試合終了で、知ってもらうためには、声を出し続けるしかありません。「こんなスキルや技術がある!」と、たとえ小さな声だったとしても、誰かに伝え続けることです。その結果、救われる人たちがいて、声を届け続けた人たちには、思ってもみなかった新しい道が切り拓かれたりする。

 

最後にもう1度、書いておきます。
あなたのスキルや技術を、待っている人がいる。