自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

「 自分しかできないこと」ではなく、「自分しかやっていないこと」を

「 自分“しかできない”ことをやる!」
SNSを眺めていると、たまにそんなフレーズを使っている人を見かけます。特に20代の人に多いかなぁ…という印象です。

 

その情熱や勢いはもちろん大事で、僕自身もそういう熱い人が大好きなので全力で応援したいのですが、でもひとつ思うのは、「そこに固執しすぎて、最後に苦しくならなければいいなぁ…」ということ。

 

なぜ、そんな心配をするのか?
それは、「そんなものはない」からです。

 

「自分しかできないこと」がある人は、一部の天才だけ。多くの人は自分しかできないと思っていても、10人、100人…いや、1万人、10万人と、世の中に同じことができる人がいるというのが現実。だから、そこを目指し、探そうとしても、苦しくなってしまうわけです。事実、苦しんでいる人を何人も見てきました。

 

そんな僕からひとつアドバイスをすると、まず考えるべきは「多くの人ができるけど、自分しか“やっていない”こと」にチャレンジしてみること。
たとえば、僕がやっている伝統工芸を動画で紹介するメディアも、やろうと思えば多くの人ができること。でも、僕らのようなスタイルでやっている人はいない。そう、まさに自分しかやっていないこと。でも、多くの人ができることでも、そこには自分をモチベートしてくれるものはあるし、真摯に丁寧に取り組めば、心から感謝もしてもらえる。世の中すらも、少し変えられたりする。

 

誰かが(多くの人が)できることをやっても、世の中に価値を提供できるのです。
そして、そんな仕事を続けてきて今思うのは、「多くの人ができるけど、自分“しか”やっていないこと」を地道に続けていくことで、最後にはもしかすると、天才ではない自分にも「自分しかできない仕事」が生み出せるかもしれないということ。まだまだ手応えもなく予感レベルですが、その先の未来に何があるのかを、これからも楽しみながら自分しかやっていないことを続けていこうと思います。