自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

インターネット検索では「聞こえてこない声」がある

新型コロナウイルスの影響で先延ばしになっていた後継者インターンシップを、ようやく開催することができました。1年間自粛して、自粛解除後も第4波、第5波の影響でさらに延期、延期、延期…が続き、1年8ヶ月ぶりの開催。本当に「やっと…」という想いでの開催です。

 

そんな久々のインターンシップだったにもかかわらず、今回はニッポン手仕事図鑑初の「福岡県東峰村(高取焼・小石原焼)」&「佐賀県武雄市(西川登竹細工)」の2産地同日開催。さすがにどちらにも参加…というわけにはいかないので、僕は西川登竹細工のインターンシップに同行したのですが、改めて後継者インターンシップは産地と職人を目指す若者にとっては、価値のあるプログラムだな、と。そのうえで、個人的にも本当に学びと気づきの多い2日間になりました。

 

そんな密度の濃い2日間で感じたことをひとつ。

 

意見交換会の際、僕が「後継者になるうえでのハードルは何か?」と聞いてみたところ、インターネットで検索しても聞こえてこないリアルな意見がたくさん聞けました。たとえば、その中のひとつはこんな声。

 

「一生懸命、職人さんが技術を教えてくれるからこそ、その技術、文化、歴史をひとりで背負うには重すぎる。わがままだと思うけど、複数の人たちで背負えたらと思う…」

 

たとえばインターネットで「若者が伝統工芸の後継者になろうとしたとき、どんな壁にぶち当たるか?」を調べてみると、(調べたことはありませんが…)おそらく「給料が安くて、生活できるか不安」「ずっとこの仕事で食べていけるか不安」「(特に同性代の)相談相手がいないのが不安」「技術は見て盗む(覚える)ものだ! と言われ、指導してもらえなかったら不安」と、よく聞こえてくる意見は拾えると思います。

 

でも、「ひとりで背負うには重い…」はなかなか出てこない。出てきたとしても、僕らが現場で聞いた情報量はもっと濃い。そこまでは間違いなく拾えないのです。

 

他にも「車の運転ができない(車の免許を持っていないし、車の維持費も大変…)」という一部のパーソナルな壁もありましたが、でも、これも意外に出てこない壁ですが、僕は無視してはいけない、結構重要な問題だと思っています。

 

インターネット検索では聞こえてこない声は、意外と多い。だからこそもっともっと、現場で声を拾いたいと思うのです。そう、関わるすべての仕事で。