今日、ある「面白い実験」について、お話を聞かせていただきました。
(企業秘密なので詳細は伏せますが…)ある“物”を3Dスキャナーで読み込み、3Dプリンターで出力をします。そこには、本物と同じ形の「B」が出来上がる。本物と「B」を見比べてみても、やっぱり瓜二つ。さすが3Dプリンター。
で、その「B」を3Dスキャナーで読み込み、3Dプリンターで出力し、またまた同じ形の「C」をつくる。やっぱり本物や「B」と比べても、「C」はまったく同じ。さらに「C」をスキャンし、「D」を出力し、その「D」をスキャンし、「E」を出力する…ということを、100回繰り返した結果、100個目の「X」も当然、本物や最初の「B」と同じ形になる…と思いますよね?
ならないのです。
もちろん、本物の原型はとどめているものの、「100回前は、これだったんだ!」というレベルで形が崩れるのです。そんな実験でした。面白くないですか?
もちろん、3Dスキャナーや3Dプリンターの精度や性能について、今日は書きたいわけではありません。半ば強引にこのブログのテイストに持っていくと、いつもの仕事をどんなに頑張って同じように繰り返そうとしても、同じにはならないということを書きたいと思ったのです。そう、あのとき成功したやり方も、2回目、3回目、4回目…と繰り返していくうちに、どちらかというと進化ではなく、“劣化”していくものなのです。自分では同じようにやっていることでも。
これはすべての仕事で言えることかな、と。
僕自身の話をすると、同じ仕事を繰り返すにしても、「前回と同じように」ではなく、「前回よりも、少しでもより良いものに」と考えることで、“劣化”を防ぐようにしています。前回できたことを同じようにやろうとしても、繰り返せば繰り返すほど、形は崩れる。最後に念押しで書いておきますが、「前回と同じように」ではなく、「前回よりも、少しでもより良いものに」と考えることで、“劣化”を防ぐことができるのです。