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「A」と「B」の間に、答えはある 〜シンプルに考えることと、答えを単純化することは違う〜

自民党の総裁選に立候補した4人の候補者が、ここ数日4人揃って、ニュース番組に出演されています。
同じタイミング、同じ状況の中で、それぞれの候補者の考えや意見が聞けるのは、個人的にはとてもいいことだと思っていますが、番組制作サイドに違和感を感じることがあります。どんな違和感かというと、「2択」での問いかけが多いということ。

 

「A」か「B」、または「◯」か「×」の札を持たせて、番組サイドが用意しておいた質問をぶつけていく。視聴者にはわかりやすいかもしれませんが、「今の日本が抱えている大事な問題は、その2択で答えが出せるほど単純なものか?」と思うのです。こんなことを続けていると、視聴者の、つまり日本人の思考力がどんどん低下してしまうのではないか…と少し不安になったりもするのです。さらに書くと、2択の札を上げなかったり、両方上げたりして、「どちらとも言えない」というような答え方をすると、視聴者が候補者を「決断力がない」「考えがない」と誤解することすらある(これはまあ、視聴者側の問題なのですが…)。

 

僕は自分自身にも、そしてメンバーにも、日々「問題はシンプルに、できる限りシンプルに考えること」と言い続けていますが、それは「難しく考えない」ということであって、「単純に考えろ」という意味ではない。今の日本が抱える問題はもちろん、僕らが日々向き合う伝統工芸や地域の問題も、常に「A」か「B」で考えられるほど単純なものではないし、むしろ、「A」と「B」の間に答えがあると、僕はいつも感じています。だから、答えを出すことが難しい。イメージの話になってしまいますが、「A」と「B」の間には「A'」があって、「B'」があり、「C」もある。もちろん、「D」もあったりする…。

 

シンプルに考えることと、答えを単純化することは、まったくの別物なのです。