自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

「大好きな仕事」だったとしても、続けていくのは簡単ではない

先日、鹿児島県で撮影のお仕事があったとき、少し時間に余裕ができたので、薩摩切子職人の中根櫻龜(なかねおうき)さんにお会いしてきました。

 

とても丁寧に出迎えていただき、工房とギャラリーを案内してもらったのですが、働く職人さんの数の多さ、そしてその“若さ”に驚きました。それよりも驚いたのは工房の設計で、「職人さんの技術や手仕事の価値は、見てもらわないと伝わらない」と、全行程が見られる設計になっていたのです。35年前の設計です。

 

今では当たり前のように「ストーリーやプロセスを見せることが大事!」と言われますが、当時の伝統工芸品は「つくれば売れる」という産地も多かった時代なので、その先見性には驚かされました。ちなみに中根さんは東京ガラス工芸研究所を卒業する直前、鹿児島県より薩摩切子復興の依頼を受け、卒業後すぐに鹿児島へ移住されたので、「つくれば売れる」という時代背景とは無縁の大変な状況だったと思いますが…。

 

それらはまた別の機会に、別の場所でお話をさせていただくとして…。

 

僕が中根さんからお話を聞いて、「やっぱり、ここは大事だよなぁ」と改めて思ったのは、薩摩切子の復興を担うという大きなプレッシャーの中、時間的な余裕がおそらくなかったであろう日々の中でも、中根さんが「自分のライフワークをつくろう」と決めていたことです。そういった楽しみや余裕がないと、長く仕事は続けられないし、技術も上がっていかない、と。

 

中根さんのライフワークは薩摩切子の「香水瓶」製作。そして当時も今もライフワークとして、つくり続けているのです。

 

長く続けていきたいことこそ、長く続けていく楽しみや余裕をつくることが大事。
どんなに好きでやりたい仕事だって、長く続けていくのは大変なことです。だからこそ、ライフワークを自分でつくる。そう、大好きなことを、長く続けていくために。

 

皆さんは大好きなことを続けていくために、どんな工夫をしていますか?