自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

お金で生み出したものはすぐに真似できるけど、時間の使い方や自分自身の動き方の“工夫”から生まれたものは、そう簡単に真似できない

2015年1月に産声を上げた『ニッポン手仕事図鑑』。僕が新規事業として与えてもらった予算は…5万円でした。
当時を振り返ると苦しい日々でしたが、今となってはトークイベントや大学の授業のネタになるので、結果的に「5万円でよかった!」と思っています。そしてそれは「立ち上げ時の苦労話として、いいネタになるから」だけでなく、「お金がないなりの工夫する考え方と動き方」を身につけることができたからでもあります。

 

自社事業として新規事業を立ち上げるとき。あるいは、取引先が新規事業をはじめるときのパートナーに選ばれたとき。そこからワクワクする未来がはじまるわけですが、先が見えないご時世で大きなリスクは負えないので、基本的に予算はない。そう、「予算がない」が当たり前なのです。となると当然、「少ない予算の中でやる!」しか選択肢がないわけですが、でも「予算がないから」と言って、そのまま諦めてしまう人が多い。そして、結局何もはじまらない…。もったいない。

 

僕は冒頭で書いた経験もあり、どんなときも「『予算(お金)がない』では、終わらせない」と、自分自身に言い聞かせています。
ニッポン手仕事図鑑においては、職人さんから一切お金をいただかずに自費で映像をつくり続けると決めたときも、現在の事業の柱のひとつとなっている後継者育成インターンシップをはじめるときも、もちろん他社の新規事業や新しいプロジェクトに関わるときも、同じスタンスで挑みます。

 

予算(お金)がないでは終わらせない! と考える癖をつけて、試行錯誤しながら何度か行動すれば、“時間の使い方や自分自身の動き方”に工夫が生まれます。そして、ここが本当に大事なのですが、お金で生み出したものはあっという間に真似されたり、追い抜かれたりしますが、“時間の使い方や自分自身の動き方”から生まれたものは、そう簡単に真似できないし、追い抜かれない。

 

だから、予算(お金)がないときは、最高のチャンスだったりするのです。