自分の仕事は、自分でつくる

すべてを引き寄せる、「実行力」の磨き方

本来の目的を見失うと、誰かにとっては楽しい仕事でも、誰かが悲しい顔を浮かべる仕事になってしまう

新商品開発やプロダクトデザインにかかわるお仕事をしていると、結構な割合でこんな言葉が飛び交います。

 

「すでに世の中にあるものをつくっても意味がない。世の中にないものをつくろう」

 

本当にそうでしょうか?
僕はないもの、あるものというのは、“どちらでもいい”と考えています。大切なのは、世の中の人が「ほしい!」と価値を感じてくれて、お金を払ってくれる商品やサービスを生み出すこと。

 

もちろん、世の中になかったものを生み出すことで、人々の暮らしが便利になったり、新しい雇用が生まれたりします。だから、ないものが生まれることはとても素晴らしいことです。ただ、視点を変えてみると、あるものをつくったことで業界が活性化されて、マーケットが大きくなったり、競争が生まれることで同類の商品が進化することにつながったりもする。すごくわかりやすい例を挙げると、日本で自動車を製造する企業がトヨタだけだったら、少なくても現在の価格帯では販売されないだろうし、マーケットは今よりも小さくなっていたはず。自動車そのものもここまでのスピードで進化を遂げていなかったと思います。

 

僕らがかかわっている伝統工芸の世界も同じ。
「今まで世の中になかった物だけど、あまり売れない物」か、「すでに世の中にある物だけど、しっかりと売れる物」か。
僕たちが新商品開発やプロダクトデザインのお仕事にかかわるときは、間違いなく後者で考えます。もちろん、「今まで世の中になかった物だけど、しっかりと売れる物」も探しつつ。

 

何のためにやっているのか? 本来の目的を見失うと、誰かにとっては楽しい仕事でも、誰かが未来に悲しい顔を浮かべる仕事になってしまうのです。