「考える力が足りない…」
「地頭が悪い…」
そんなふうに言われてしまい、悩んでいる人も多いと聞きます。でも僕の考えをお伝えすると、多くの人は考える力が足りなかったり、地頭が悪いわけではなく、何かを考えるときに、ただ「“考えるべきこと”が見えていないだけ」だと思っています。
どういうことか?
わかりやすい例をひとつ挙げて説明をしてみます。
たとえば、考える力が足りないと言われる人は、「わたしに料理を提案してください」というお題を与えられたとき、「おいしい料理って、なんだろう?」「どんな料理だったら、喜んでくれるだろう?」と考えてしまうのです。これだと抽象的な質問なので、なかなか「これだ!」というものが思い浮かばない…。
で、結局思いつく料理は自分の好きな料理ばかり…。いつのまにか(勝手に、無自覚に)「自分の好きな料理は?」を考え続けてしまい、「わたしに料理を〜」という質問を置いてけぼりにして、とんちんかんな方向へと進んでいってしまう…みたいな。
そこで大事なのは、「◯◯さんがご家族と楽しく食べられる料理はなんだろう?」「仕事がハードな◯◯さんの胃に優しい料理はなんだろう?」「◯◯さんが朝に食べたい料理はなんだろう?」というように、質問を具体的にしていくことです。これだと、思考が具体的になっていくのです。これが大事。
そう、考える自分自身にどんな問いかけをするかで、“同じ自分が考えるにしても”アウトプットは大きく変わるのです。
考える力に個人差があるのは事実ですが、「考える力が足りない…」と言われる人はまず、考える自分への問いかけが悪いだけかもしれない…と考えてみる。質問が変われば、同じ自分から出てくるアイデアや答えが変わる。その結果、「考える力が足りない…」という評価が変わるかもしれません。