自分の仕事は、自分でつくる

すべてを引き寄せる、「実行力」の磨き方

荒々しい海で生き残るための、弱者のリアルな戦術

新規事業としての予算、5万円。
当時の社員数、7名(確か…)。
オフィスの広さ、少し大きめのワンルームくらい。

 

2015年1月、ニッポン手仕事図鑑をリリースした当時の状況です。
2013年には東京オリンピックの開催が決まっていたこともあり、“これから注目されるであろう”「伝統工芸」をビジネスにしようと考える企業が増えはじめたタイミングでのリリースでした。

 

だから、「正直、競争相手も多いし、難しいと思う…」「大手が参入してきたら、一気に追い抜かされる…」と言われたりもしました。
でも、結論から書くと今は「大手」と呼ばれる企業からも逆に「一緒にやろう!」と声をかけていただける状況です。そう、追い抜こうとはされずに…。

 

なぜ、そうなったのか?
ポイントはふたつあると考えています。

 

ひとつ目は、「大きなお金を使えたとしても、“時間をかけないとできない”こと」にフォーカスしたこと。
そう、追い抜こうと考える人たちは一気に追い抜こうと考えるし、逆に“時間がかかること”を嫌う傾向にあります。なので、とにかくお金をかければすぐに真似されることは避けて、時間をかけないとできないことに注力しました。

 

そしてもうひとつは、ある程度の“差が出るまで”は、あえて目立たないようにしていました(と、かっこつけてみましたが、目立ちたくても目立てないという現実もありましたが…)。
時間をかけないといけない場所に行くまでは、ひっそりと。水泳をやっていない人、若い人にはわからないかもしれませんが、イメージは「バサロスタート」です。水に潜ったまま、水面下でグイグイと進み続け、あるタイミングでぽんっと水上に出てくる。そんな感じです。そう、初期の頃と今では、世の中に出している情報とその量は、全然違ったりするのです。

 

抜くべき相手から、肩を組む相手に。
すべてが考えていたように上手くいったとは言えませんが、弱者としての生き残り方をそれなりに必死に考えて、今に至ります。当たり前ですが、ビジネスシーンはいつも荒々しい海です。コロナ禍で“荒れ狂っている”とさえ言える状況になりました。綺麗事だけでは生き残ってはいけないのです。