自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

それは「向いていない」のではなく、「場数を踏んでいない」だけ…かもしれない

仕事や勉強はもちろん、プライベートなどでも“苦手なこと”に直面したとき、多くの人は「(自分には)向いていない…」という自己評価をくだします。確かにそのとおりなのかもしれませんが、もしかすると、そこでスパッと諦めてしまうのは少し早すぎるかもしれません。

 

僕は今、大学や高校で授業をやったり、毎週配信しているオンライン番組『Bar KO-BO』でファシリテートをしたり、トークセッションでスピーチをしたり、自治体にプレゼンをしたりしています。文章を書くことが仕事の中心でしたが、ここ最近は「話すこと」が仕事の中心になっていたりします。

 

でも、僕の古くからの友人や前職の後輩たちはよく知っていますが、僕は話すことが「大の苦手」でした。平均レベルよりも下手くそで、人一倍、苦手意識を持っていたくらいです(文章を書く仕事を選ぶ人は、潜在的に話すことが苦手だからである…という調査もあるとか)。

 

たとえば、コンペのプレゼンテーション。
初挑戦から2〜3回目までは正直、「やっぱり、向いていないな…」と言わざるを得ないプレゼンしかできず、自分自身に対して、ガッカリしていました…。でも、それが5〜6回目のときには、下手くそであることに変わりありませんでしたが、「向いていない…」という思いの中に、「場数を踏んでいないだけでは?」という思いが芽生えてきたのです。そして、さらに回数を重ねると、向いていないかどうかなんてどうでもいいから、とにかく場数を踏もう! と、自分自身に言い聞かせるようになった。

 

結果、今ではそこそこまともに話すことができるようになったと思います。
あのとき、話すことからすぐに逃げていたら「向いていない」で終わっていましたが、回数を重ねることによって「場数を踏んでいないからだ」と思えるようになって、今は「まだまだ上手くなれるかもしれない」と、自分自身に期待できるくらいまでになったのです。

 

よく例に挙げさせていただきますが、スキーの荻原健司さんの言葉に「苦手を克服すれば、それが一番の武器になる」というものがあります。荻原さんもジャンプが苦手でしたが、練習を積み重ねて克服した結果、ジャンプが一番の武器になり、「キング・オブ・スキー」の称号を得るとともに、自らの異名と言われるまでになった。

 

「向いていない」でやめてしまうか。それとも「場数を踏んでいないだけ」だと考えて、もう少し続けてみるか。正解は誰にもわからないし、どちらがよかったのかの答え合わせもできない。そんな中でどちらを選択するのか。そう、決めるのは自分自身です。