自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

議事録は「手書き」で、「編集」しながら書きましょう

前職の会社に所属しているときのこと。僕は年に1度、“ある重要”なミッションを与えられていました。そのミッションとは、会社の「年間スローガン」を考える業務。

 

COO(最高執行責任者)が前期の反省点や今後の市場を踏まえた上で、次年度でやりたいことを熱く、それこそ2〜3時間かけて、熱く語るのです。その熱いトークの中から人事部長が「年間スローガン」となるキーワード(ポイント)を探し出し、スローガンにまとめる役割を任されていたのですが、いざ言葉にしようとしても、なかなか難易度が高く、上手くまとめることができない…。そこで、そこそこ言葉をまとめることが上手だった僕に白羽の矢が立ったというわけです。

 

そして、いよいよCOOへの再取材(ヒアリング)の当日。COOはエンジン全開で熱く語り始めました。その時間、予想通りの3時間…なかなかの長さです。

 

その間、人事部長と僕はそれぞれに議事録(メモ)を取るのですが、10数ページにも及んだ人事部長のメモとは対照的に、僕のメモはたったの3〜4ページでした。

 

「えっ、メモはそれだけ? 大丈夫?」

 

取材後、人事部長はとても心配していましたが、僕は「全然大丈夫です。十分です」と返しました。そして、自分なりに「年間スローガン」を考えて、いざCOOにプレゼン。結果は「完璧!」という言葉をいただきました。

 

なぜ、人事部長が上手くまとめられなかったスローガンを、僕はたった3〜4ページのメモでまとめられたのか? 答えは簡単で、すべてをメモしようとせず、大事なことは何か? COOはどの部分に熱をこめているのか? を“その場”で考え、整理(編集)しながらメモを取っていただけです。少し書き方を変えると、その場でしかできない作業だからこそ、その場でやっていたのです。

 

僕の持論ですが、取材にしても、会議にしても、商談にしても、すべてを記録しよう(議事録やメモをとろう)としてはダメです。すべてを記録しようとすると、大事な部分はどこにあるか? の感度が鈍り、見落とすからです。大事なところはどこか? と考えながら、メモを取る。このやり方でないと、大事なところをすくい上げられないと僕は考えています。少し怖いやり方かもしれませんが、その後の仕事の質は確実に上がりますので、ぜひ試してみてください(失敗しても、責任は取りませんが…)

 

ひとつおまけで書いておくと、僕は大事な会議、商談ほど、パソコンを使いません。メモだけにします。それはパソコンの画面に目が行きがちで、相手の目や身振り手振りを見る時間が短くなるから。そう、大事なのは、相手の言葉だけでなく、目や身振り手振りなのです。大事なメッセージは、そこにこめられていたりするのです。