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アイデアマンになれる人と、なれない人の違い

アイデアマンと呼ばれる人は、「言葉で伝える力を持っている人」です。もっと詳しく書くと、「ひとつひとつの言葉を丁寧に扱える人」。

 

なぜか?
アイデアマンと呼ばれる人たちは、アイデアによって「“誰”の課題を解決するか?」が明確に見えている。「世の中の多くの人の課題を解決しているアイデアを生み出している人もいるよ!」と反論されそうですが、僕は結果的にそうなっただけで、発想のスタートは最初の誰かを想っていたはずです。世の中のアイデアマンたちはよく、「制限があるからこそ、発想は広がっていく」とおっしゃっていますが、「すべての人のために…」という思考で考えることはないと僕は考えています。

 

で、本題の「ひとつひとつの言葉を丁寧に扱える人」について。

 

たとえば、アイデアマンと呼ばれる人たちは、「貧困層」という言葉を思い浮かべ、課題解決のアイデアを考えません。なぜなら、「貧困層」とひと言で言っても、経済的な生活水準の問題もあれば、健康の問題、教育の問題と、種類はまったく違う。経済的な生活水準もアフリカの貧困層と呼ばれる人と、日本の貧困層と呼ばれる人とでは、解釈や状況がまったく違います。

 

アイデアマンになれる人は、定義が曖昧な言葉を使わない人であり、ひとつの言葉で雑にまとめようとしない人です。だからこそ、言葉の選び方が丁寧なので、「言葉で伝える力を持っている人」と言えるのです。

 

先日、東日本大震災が起きてから10年を迎えました。その場所には「被災者」と呼ばれる人がたくさんいますが、「被災者」という主語で語れることはひとつも存在しないと僕は考えています。そう、ひとりひとりが違うから。ひとりひとりを想うこと。誰かの課題を解決するアイデアは、そこから生まれるのです。