昨年末から決まっていたお仕事があり、昨日、博多織の工房を訪問しました(状況も状況なので行くべきか迷ったのですが、職人さんや関係者の方も「ぜひ!」とのことでしたので、最大限の配慮を持って、お伺いさせていただきました)。
で、ツイートもさせていただきましたが…。
博多織の、可能性。
— 大牧圭吾|ニッポン手仕事図鑑 編集長 (@by_waterman) 2021年1月13日
本当に驚いた…。#博多織 pic.twitter.com/rDEywYFzrF
僕はこの織りの技術に触れて、ただ感動しただけでなく、博多織の可能性を感じました。まだまだ博多織はやれるなと、手応えを感じた瞬間でした。積極的な工房さんなので、一緒にプロジェクトも立ち上げてみたいな、と。
それはさておき…。
僕がこの日一番感動したのは、技術力ではなく、実はアテンドをしてくれた工房の社長さんの“話し方”だったのです。
プロモーションやブランディングはもちろん、若い世代を積極的に採用する経営方針、若い世代に大事な仕事を任せるマネジメントといった考え方にも、話を聞きながら何度も何度も「なるほど」とうなずき、感心していたのですが、一番感動したのはご自身がお話をするときに「◯◯さん」と、相手の名前をしっかりと呼んでいたことでした。
僕らは4名で伺い、僕も含めて、うち3名が初対面だったのですが、社長は4人全員に対して、「先ほど、Mさんもおっしゃっていましたが…」「Fさんのお仕事と同じで…」「ここは大牧さんのお考えも伺いたいのですが…」などと、ひとりひとりの名前を自然に会話の中へと入れていく(想像ですが、僕は意図的だと勝手に思っています)。
呼ばれた人は突然名前を呼ばれるので、一瞬ドキッとするのですが、でも呼ばれた人は何度も呼ばれているうちに、自分がその場に必要である(価値のある)ように思えて、その打ち合わせが(もっと書くと、そのプロジェクトそのものが)どんどん自分事になっていく。ここも確認はしていませんが、僕は確信をしています。
相手の名前を呼ぶことで、上手に、自然に巻き込んでいく。繰り返しになりますが、僕は社長の話し方に、とても感動しました。真似してみようと思います。