「決断を迷っている暇はない」
世界各国の情勢や常識が大きく変わった2020年と、これからはじまる2021年に向けて、僕はとても大事なキーワードになると考えています。
たとえば。
今年の春先にマスク不足が深刻化してから、マスク在庫を復活させるスピードがもっとも早かったと言われたのが、アイリスオーヤマ。マスクバブル(マスク価格の高騰化)がはじまる前から中国でのマスク消費の動きを読み、先行して資材の発注をはじめ、増産体制を整えました。しかも、販売データを即時分析できる体制になっているため、小売店のデータを分析した結果、箱マスクの生産を一旦ストップし、7枚入りの袋マスクに特化して生産する決断をしました。その決断と次の行動までのスピードが業績はもちろん、消費者からの信頼度をさらに上げることにつながったのです。
そして、もうひとつ例を挙げると、僕も出張でよく利用するアパホテル。
新型コロナウイルスの感染拡大がはじまる前から非接触でチェックイン&アウトができるシステムを導入し、新型コロナウイルスの軽症者の受け入れを政府から要請されたときも受け入れを即決。ここで社会貢献の姿勢を見せただけでなく、さらに1泊2500円という破格な宿泊料で「コロナに負けるなキャンペーン」も打ち出し、既存顧客の需要喚起だけでなく、新しい顧客層の獲得にも成功しました。
先を読み、スピーディに決断して、決めたら即動く。とにかく動く。
これからの時代は成功できるかを慎重に分析している時間はほとんどなく、まずやると決めてから、試行錯誤しながら成功する道を探っていくスタイルで動けるかが、2021年以降の勝負の分かれ目になると僕は考えています。そう、決断を迷っている暇はない。スピードこそが周囲の信頼を生み、新しいチャンスを呼び込むのです。