自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

“初心”とは、「思い出すもの」ではない

僕は今、岩手県盛岡市とのプロジェクトの一環で、盛岡の高校生(放送委員の1〜2年生の10数名)と一緒に、オンラインで配信するラジオ番組を制作しています。

 

番組のコンセプトやターゲットを考えて、番組名を決めて、本物のラジオ番組の台本を学びながら、自分たちの番組の台本を書いてみる。そして、取材先への依頼書も書き(届けてくれるのは、盛岡市役所の職員さんにお願いします)、実際に取材をして、編集したあと、本当に公開するところまでしていきます。さらには、明後日はTOKYO FMの番組ディレクターを講師に招き、オンラインで授業をやっていただき、現場での立ち回り方を学んだりします。

 

実は僕、野球選手という将来の夢を断たれたあと、本気でなりたいと思った職業が、ライターとラジオのディレクターでした。高校生のときの僕が学び、経験したかったことを、盛岡の高校生たちにさせてあげているのです。もちろん、盛岡市役所が目指す目標にしっかりと到達できるプロジェクトとして。

 

そんなこんなで今日は、3チームのうちの1チームが、記念すべき最初の取材を行いました(取材先は…番組のコンセプトが台無しになってしまうので、ここでは伏せます…)。

 

そこで僕が“痛いくらいに”実感をしたこと。
目の前で起こるひとつひとつの不手際やミス、配慮のなさを見ながら、僕はニッポン手仕事図鑑を起ち上げたばかりの頃の“初心”を思い出していたのです。念のために書いておくと、大人である僕らも最初はできていなかったので、高校生ができていなくて当然。彼らが悪いわけではありません。

 

僕は今年のはじめ、ニッポン手仕事図鑑をさらに成長させていくために、「初心に戻ろう」「初心を大事にしよう」と、自分自身に対して、決意表明をしていました。でも、それができていたとは全然言えませんでした…。初心を思い出そうとしても、初心が思い出せない…。

 

でも、今日は高校生たちと一緒に現場へ入ることで、初心に立ち返ることができた。配慮の仕方、根回し、お礼を伝えるタイミング…。気づかせてくれた高校生たちには、本当に感謝です。

 

“初心”とは、「思い出すもの」ではなく、これから自分と似たような道を歩む後輩たちに、「教えてもらうもの」なのかもしれません。だから僕はこれからも、自分が歩んできた若者たちと、時間を共にしたいと思いました。
素晴らしい機会と気付きを与えてくれて、ありがとうございます。明日も取材が2件、頑張ろう!