自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

「新しいモノ」を探すより、「今あるモノ」を磨く

「スキルを身につける」
そう言われると、ほとんどの方は新しいスキルを身につけることを想像します。日本語的にも、その解釈で間違いありません。ただ、「身につける」を辞書で調べてみると、「知識・習慣・技術などを自分のものとする」と書いてあります。そう、新しいスキルを身につけるだけでなく、今持っているスキルを磨き、「自分のもの」にしていくことが大切だと、最近よく思うのです。

 

僕は今、仕事で伝統工芸の振興や、地方と呼ばれる地域の活性化にかかわっています。その中でいつも話題になるのは、「今あるモノを磨く」よりも「新しいモノ(=何か)を生み出そう」とするというアプローチ。それはとても大事なことで、積極的にチャレンジするべきことですが、やっぱりこれまで大事にしてきたコトやモノを磨くことも大事だと感じることが多いのです。伝統工芸品で言うなら、その技術で新しいモノを生み出すだけでなく、今あるモノを磨き(バージョンアップし)、新しい使い方を提案していくことなどです。

 

個人のスキルの話に戻りますが、ウィズコロナの時代を生き抜くために「スキルを身につけよう!」という声をよく聞く機会が増えました。でも、新しいスキルの習得だけでなく、今の自分が持っているスキルを、丁寧に地道に磨いていくことも大事。

 

またまた話が変わりますが…。
実は今日、「株式会社ニッポン手仕事図鑑」の第2期が終わります。ニッポン手仕事図鑑を立ち上げてから6年。法人化してから、まもなく2年。ここからが本当に大事な時期になりますが、先を焦れば焦るほど、「新しい何かを…」と考えてしまう。でも、6年間で少しだけど、身につけてきたモノもある。僕はそこも大事にして、これから丁寧に磨いていきたいと考えています。

 

「新しいモノ」を探すより、「今あるモノ」を磨く。「今あるモノ」を磨いたら、次はやっぱり、「新しいモノ」を探しに行く。その繰り返しの先にこそ、未来があると思うのです。