プレゼンは、「漫才」である。
僕は、そう考えています。
これは、プレゼンでは相手を笑わせろ! という意味ではもちろんなく、プレゼンは相方と二人一組でやるべきだ! という意味でもありません。
漫才コンビは例外なく、ひとつのネタをつくったら、何度も何度もお客さんの前で漫才を披露しながら、そのネタを磨いていきます。そう、まずやってみて、お客さんのリアクションを見ながら、セリフや声のトーンを変えたり、構成を入れ替えたり、何かを足したり削ったりしながら、“磨く”のです。
昨年のM-1グランプリでチャンピオンになったミルクボーイも、司会の今田耕司さんが「『コーンフレーク』はめちゃくちゃ面白いと評判になっていた」と言っていましたが、何度も何度もお客さまの前でコーンフレークのネタを披露して、改善をしながら、磨いていったわけです。だから、面白い。
プレゼンも漫才と同じで、繰り返し繰り返し披露しながら、磨いていくものなのです。『プレゼンは、「漫才」である』というのは、そういう意味。
僕は今日1日だけで、某県庁や市役所の伝統工芸関係の部門の職員さんや、パートナーになっていただく企業の方に対して、同じプレゼンを3回やりました。今まで何度も繰り返しやってきたニッポン手仕事図鑑のプレゼンですが、それでも今日の1回目と最後の3回目で話す構成を変えています。それは、1回目のプレゼンのリアクションを見て、「そうか! 今はここが響くのか!」と実感したから。
「何度も磨いて、光らせていくもの」
これはプレゼンだけでなく、企画書や原稿も同じ。次から次へと新しいものを生み出すことも大事ですが、同じものを磨き続けることで、相手の心を動かせたりするし、自分自身も学べることがある。
自分自身のいつものプレゼンやセールストーク、書いた企画書や使っている資料など、何かひとつを“磨いてみる”ことを僕はオススメします。繰り返しになりますが、新しいものを生み出すこととは違う学びがあるし、最初はイマイチだと思っていた“それ”が、素晴らしい“持ちネタ”になるかもしれませんから。