『ユーチューバー』という職業が注目されはじめたとき、googleは「好きなことで、生きていく」というキャッチコピーを打ち出し、その存在を世の中に認知させることに成功しました。そして、『ユーチューバー』という職業は、あっという間に市民権を得ました。
以降、YouTube以外にもさまざまなSNSが活用されるようになり、個人で稼げる人が増え、企業も副業を容認する風潮が生まれてきたことで、「これからは個人の時代だ!」と言われるようになり、結果、“好きを仕事にしたい欲求”を持つ人が増えてきたように思います。
でも、個人的はもう、“その先の時代”に入っていったような気がしています。
たとえば、好きな仕事を「やりがい事業」として、日々の生活費を稼ぐ仕事を「収益事業」とします。
「個人の時代」と言われるようになってからある程度の時間が経ち、やりがい事業で“収益を上げ続けて”いくことが思いのほか難しく、そして、好きで稼ぐことの“苦しさ”に気づいてしまった人も多いように思います。そう、短期的に「やりがい事業=収益事業」を実現できても、中長期的に考えると難易度は高い。
なので、今は「分けて考える」人が増えてきたと感じています。「やりがい事業⇔収益事業」という考え方。
つまり、収益事業があるからこそ、好きな仕事を、“好きを維持しながら”続けられるし、やりがい事業があり、そこに共感し、良い関係性が築けるからこそ、仕事をくれる=お金を出してくれるクライアントが増えて、収益事業が成立する。言い方を変えると、収益事業だけやっている個人や企業には、仕事が回ってこなくなると個人的には思っています。
これからは、「やりがい事業⇔収益事業」の時代。どちらか一方だけでは、生き残っていけない時代だと、僕は考えています。
先ほども書きましたが、稼ぐ仕事を持ちつつ、好きな仕事を、好きを維持しながらやり続ける時代であり、好きを維持しながら仕事をしているからこそ、生活費を稼ぐ仕事が回ってくる時代だと思うのです。
余談ですが、今年の2月に娘が通う小学校が開催した「10才を祝う会」で、「将来、なりたい職業」のアンケート結果が発表されました。娘が通う小学校は普通の公立小学校ですが、一番人気はなんと「医者」。個人的にはとてもしっくりと来ました。「やっぱり、ユーチューバーじゃないんだな」と。
人の役に立てて、やりがいも持てる収益事業をやりながら、自分の「好きを仕事にする事業」を、これからの子どもたちはきっとつくっていく。子どもたちはすでに、「ユーチューバーになりたい!」のその先へ、「好きを仕事にする時代」のその先へ、向かっているのかもしれません。