「ペンを動かし、紙に書く」
日々、その重要性を口にしているので、どのようにノートやメモを使っているんですか? という質問をちょいちょいいただきます。
ノートやメモの使い方(=書き方)と言っても、備忘録からアイデアを出す作業まで、いろいろな使い方がありますが、今回は「記録」としての使い方ではなく、新しいアイデアやプロジェクトの企画を考える、あるいは『毎月1回の「ひとり会議」のススメ』という記事で書いたような、自分の強みを洗い出したり、次の行動計画を考えたりするときのノートの使い方について、書いてみたいと思います。そう、「記録」でなく、「思考」するときの使い方です。
たとえば、あるプロジェクトの企画を考えるとします。
まずはノートを開き、「右ページだけに」アイデアやネタとなる情報、そのときに思い浮かんだちょっとした自分の考えなども書いていきます。そのときは「右ページ」だけを使って、思考を広げ、深めていく。頭の中にあるものを、すべて「右ページ」に吐き出して(書き出して)いきます。
で、1回寝かせる(熟成させる)。
熟成期間は特に決めていませんが、数日寝かせたあと、改めてそのページを開き、今度は右ページに書いていた文字を見ながら、思考を巡らせ、「左ページ」に新しいアイデアや思いついたことを書き込み、発酵させる(「熟成」とか「発酵」とか、あくまでもイメージなので、そこは軽く流してください…)。わかりやすく書くと、仕込んでいたものをさらに広げたり、深堀りしたりしていく作業です。ちなみに僕はメモとしてB5用紙を使っていますが、ノートを使う習慣がなく、メモを使う人は、左側に余白をつくっておくといいと思います。
ノートに書いた文字たちは、書いたままにしてしまうと“腐って”しまう。言い換えると、見返さないとただのゴミになる。だから、何か書き込める余白を残したまま、一旦寝かせて(これも大事)、改めて見返す時間をつくり、新たに思考を巡らせ、書き込む作業をしていくことが大事。そう、ノートやメモは「熟成」させて、「発酵」させるものなのです。