ニッポン手仕事図鑑はゴールデンウィーク(=ステイホーム週間)中に、いくつかの新作映像を公開します(公開予定の映像については、詳しくは『ニッポン手仕事図鑑』のトップページをご覧ください!)。
そこに向けて現在、完成した映像のチェックも兼ねて「ひとり試写会」を開催しているのですが、今日も午前中、越後与板打刃物の職人さんの映像を観ていました。そのときにインタビューを担当した自分の心に改めてズバッと刺さったのが、職人さんのこのひと言。
「器用な奴はいらない。逆に不器用な奴のほうが、育つんだよね」
なぜ、職人さんがそう考えているのか?
再度インタビューから抜粋させていただくと、「器用だと自惚れが出てしまい、不器用だと予習復習をするし、考える知恵もつく」からです。
そう、大切なのは、同じスキルに行き着くまでに、どれだけ試行錯誤したか。
1年でパパっと、そのスキルに到達した器用なAくんと、2年かけて、回り道をしながら同じスキルに到達した少し不器用なBくんでは、その先の5年、10年を見たとき、変化が求められたときに試行錯誤する力、ピンチのときに深く考える力、追い込まれたときの忍耐力など、ひと言で(大雑把ですが…)まとめると“地力”が全然違うわけです。
その地力は、器用にこなす人よりも、不器用な人ほど身につきやすい。だから、強い。
「不器用だから…」と自分自身を否定してしまう人がいますが、それは違うのです。そう、「不器用」は、武器なのです。