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「第一希望」が手に入らなかった学生に、今伝えたいこと

「第一希望」。
いざ、受験や就職活動に挑むとき、きっと誰にでも「第一希望」というものが存在していると思います。まさに今の時期は、第一希望を掴んで笑顔になっている人もいれば、掴めずに涙を流している人もいる。ある意味で残酷な季節だったりします。

 

僕の話を少し…。

 

僕は就職氷河期の真っ只中の世代なのですが、大学受験で全滅して、一浪して、さらに全滅して…最終的には「そんな学歴じゃ、今の時代はどこも雇ってくれるところなんてないよ!」と言われながら専門学校に入学したという、ある意味で絶望的な人生を歩んできたわけなので、受験や就職においては「第一希望」はもちろん、「第二希望」どころか、「第三希望」すらも手にしたことはありません。

 

でも、僕はこの人生経験を通して、ある“ひとつの思考”を手に入れることができました。そのおかげで今は負け惜しみでも何でもなく、第一希望が手に入らなかった人生でよかったと自信を持って言えますし、転職を繰り返してキャリアアップするという挑戦も、ニッポン手仕事図鑑を立ち上げることもできなかったとも思っています。

 

で、その“ひとつの思考”とはなにか?
僕は常に、こんなふうに考えて、動いてきました。

 

「第一希望の学校(企業)では学べず、経験もできないことで、今の環境だからこそ学べること、経験できることって、何があるだろう?」

 

この視点が持てるようになり、習慣になると、視野が広がり、行動力も吸収力も格段に上がります。そしていつしか「あれっ、俺って、第一希望がダメになって、逆によかったんじゃね?」と思えるようになってくるのです。そう思えたら、勝ちです。

 

余談ですが、昨日久々にテレビを観ていたら、ジャーナリストの玉木正之さんが出演されていました。実は専門学校時代、僕は玉木さんのゼミ生でした。受験に失敗して、第10希望くらいの大学まですべて落ちたけど、それらの学校で学べず、経験できないことで、今の学校で学べることのひとつに、玉木正之さんのゼミがあったわけです。だから僕は必死に選考テストの論文を書いて、無事にゼミ生に選ばれました。この経験も、あとになって大きく効いてくる。そう、他の学校では、経験できなかったことです。

 

第一希望なんて、そのときの知識や経験の「暫定に1位になっている」程度のもの。
第一希望と第二希望のどちらのほうがいいかなんて誰にもわからないし、答え合わせもできはしない。第一希望を掴んだら、その場所で全力を尽くす。第一希望を掴めなくても、「今の環境だからこそ学べること、経験できることって、何があるだろう?」と考え、全力を尽くす。過去は変えられないから、思考を変えて、全力を尽くすしかない。僕が「第一希望」が手に入らなかった学生に伝えたいのは、そんなことです。