自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

「絶対にできない」と言われたことは、“絶対に”やったほうがいい

僕が前職で成し遂げた“大仕事”(と、周囲の人が評価をしてくれるので、そう書かせていただきますが…)のひとつに、出版業界とは何の関係もなかったインテリア関係の企業を「出版社にしてしまった」というものがあります。

 

自社でプロデュースしたインテリア誌を他の出版社さんに発行してもらい、全国の本屋さんで販売していたのですが、(詳細は長くなるので割愛しますが…)いろいろな意味で自社を出版社にしてしまい、発行したほうがメリットが大きいと確信が持てたので、自社を“出版社化”することに決めたのです。

 

とはいえ、出版は経理(会計)や物流が特殊なこともあり、社内の体制づくりも大変で、さらには長引く出版不況もあり、取次も新規の出版コードを発行する(=新しい出版社をつくる)ことに慎重になっていたため、社内はもちろん、社外の、特に出版関係に詳しい企業の方からは「絶対にできないし、やめておいたほうがいい」と、何度も言われました。

 

でも、自分自身で徹底的に調査してみた結果として、失敗したとしても会社に与える損失はそこまで大きなものでなく、「確率は高くないものの、出版社として承認される可能性は十分にある」と手応えも感じることができたので、チャレンジする決断をしました。もちろん、少し業績が厳しいときでもあったので、「貴重な予算が無駄になったら、みんなに迷惑をかけるよなぁ…」と不安になったり、反対していた人たちから「それみたことかっ!」と言われたら落ち込むよなぁ…と思ったりもしましたが、自分自身にこんなメッセージを送りながら、心を奮い立たせていました。

 

『「絶対にできない」と言われたことは、“絶対に”やったほうがいい』

 

多くの人が「絶対にできない」ということは、チャレンジしている人が少ないので、達成できたときの効果は大きい。そして、そこに至るまでのプロセスを経験している人も少ないので、自分自身の財産にもなるし、武器にもなる。その経験を会社にもフィードバックできるはずだ! と、自分を鼓舞したのです。事実、出版社にしたことで、売上はもちろん、会社のブランディングにも大きく貢献することができましたし、その後に出版に関する仕事をいくつかもらうこともできて、仕事の幅も広がりました。

 

今、間違いなく言えるのは、成功や失敗を問わず、このチャレンジをしたからこそ、その数年後にニッポン手仕事図鑑を立ち上げることができたということ。そのくらい大きな経験でした。達成できたときは、大きな成果をあげることができるし、仕事の幅も広がる。もし達成できなかったとしても、その経験から得られるものは半端なく大きい。

 

誰でも、失敗は怖いもの。それでもやっぱり、『「絶対にできない」と言われたことは、“絶対に”やったほうがいい』と思うのは、こういう経験をしてきたからです。