今日は、「初代(初期)メンバー」についての話を。
2015年に『ニッポン手仕事図鑑』を立ち上げてから、早いもので5年の月日が過ぎました。まだ誰ひとりとして知らなかったメディアは、ありがたいことに日本全国で知られるようになり(もちろん、知名度はまだまだですが…)、たくさんの人から「一緒に働きたい!」と言ってもらえるまでになりました。
「なかなか感慨深いものがありますね…」
昨日も素敵なオファーがあったとき、僕に手仕事図鑑を立ち上げるチャンスをくれた弊社代表は深夜にもかかわらず、僕にそんな言葉をくれました。
で、本日の本題。
先ほども書いたように、ニッポン手仕事図鑑は今、一緒に働きたいと言ってくれる人が次々と現れ、多くの企業が「一緒にプロジェクトをやろう!」と声をかけてくれるようになり、全然儲かってはいませんが…地方での撮影やイベントなどにお金を投資できるようにもなりました。撮影のオファーを出すときも、「ぜひぜひ!」と言ってもらえるにもなり…。初代(初期)メンバーだからこそ、積み上げてきたものの大きさを、ときに他人事のように「すごいよなぁ…」と感じていたりもします。
そんなときに、いつも思うこと。
立ち上げたときからニッポン手仕事図鑑に関わっている“初代メンバー”たちは、信頼もお金も人もいない「ゼロの時代」を知っている。小さな信頼を積み上げていくためには、何が必要か? 小さなお金を効果的に使うためには、どうすればいいのか? いや、使えるお金がないので、どう工夫したら、やりたいことができるのか? を必死に考え、動いてきたわけです。
そう、何もない「ゼロの時代」を知っているからこそ、小さな信頼を積み上げる方法を知っている。その方法を知っているからこそ、大きな信頼の積み上げ方がわかる。小さなお金の使い方を知っているからこそ、大きなお金の使い方もわかる。人が少ないときの動き方を知っているからこそ、人が多くなってきたときの動き方がわかる。そう、それらはすべて、初代(初期)メンバーの特権。その分、苦労も多いわけですが…。
ある程度の信頼、実績、お金、人材が集まった状態になってから、その“船”に乗ったほうが仕事はやりやすいし、楽しいかもしれない。でも、僕は「初代(初期)メンバー」になるチャンスが巡ってきたら、すぐに乗るべきだと思うのです。なぜなら、大きなことを成し遂げる人は、そんな「ゼロの時代」を知っている人だからです。