今日、僕らのチーム内で、こんなやりとりがありました。
Aさん「Bくん、大牧さんに◯◯のスクショを送ってください!」
Bくん「送りました! が…送ってほしい画像は、これであっているでしょうか?」
これは、指示を出す側の僕やAさんの丁寧さが欠けていた(指示の目的を伝えなかった)出来事なので、Bくんは何も悪くない…。でも僕は、「じゃ、次からはもっと丁寧に指示を出そう!」と言って終わらせられない、大きな問題だと捉えました。なぜなら、指導する立場の僕やAさんの育成力の至らなさが顕著に出た出来事だからです。
どういうことか?
もし、僕らがしっかりと育成できていたら、Bくんは「指示された行為の正否を確認する」ではなく、「与えられた目的を果たせているか?」を問いかけてきたはずだからです。つまり、「画像が合っているか?」でなく、「目的は◯◯ですよね? だから、この画像があれば、大牧さんの目的を果たせると思いますが、もし目的が違っていたら、指摘してください!」という視点の発言になったわけです。そう、送る画像が間違っていても、目的が果たせればいいという思考になる。
「指示された行為」でなく、「果たすべき目的」に目を向けること。
少しわかりづらい表現ですが、僕は人材育成において、ここをとても大事にしています。もう1度書きますが、上司や先輩から指示された行為と違っていたとしても、目的を果たせていれば、それでいいと考えるようになってもらいたいのです。
なぜなら、指示された行為の正否に目を向ける癖がついてしまうと、答え合わせ思考(気が付けば、指示待ち思考)になってしまうからです。そうなると、指示されたこと以上の、よりよい行動はできない…。一方、目的に目を向ける癖がつくと、目的を果たすためのよりよいやり方を自然と探そうとするので、深く、広く考えられるようになり、想像力も身につく。仕事ができると言われる人の中には、「『1』言われただけで、『10』理解できる人」と表現される人がいますが、そういう人は例外なく、行為でなく、目的に目を向けているのです。
そう考えると、指示を出す側は「行為」でなく、「目的」を伝えたほうが部下や後輩は成長するということ。でも、その「目的」の伝え方もまた簡単ではないので、育成って、やっぱり難しいものです…。