「もちろん、尊敬はしていますけど、『絶対に負けたくない!』という“男の子”のような気持ちも、常に持っていますよ」
昨日取材をさせていただいた、江戸時代から続く老舗の畳店。その11代目の息子が、10代目の父親に向けて語った言葉です。
この言葉に僕は、とても共感しました。
僕にもメンターと呼べる存在が何人かいますが、「いつまでも追い抜けない存在」として見たことは1度もありません。むしろ、「いつかは追い抜いていくべき存在」として見ています。なぜ、そのように見ているかというと、追い抜けない存在として“ただ接している”よりも、追い抜いていくべき存在として観察、分析したほうが学びは大きいし、結果、その存在を“もっと好きになれる”からでもあります。
今の若い人たち(特に20代)を見ていると、「憧れの存在」はいるものの、「いつまでも追い抜けない存在」として盲目的に崇拝しているだけになっている人が多い気がします(あくまでも僕が見ている限りの話ですが…)。でも、そんな素敵な存在がいるのに、それはもったいない。追い抜けるかどうかはさておき、「いつかは追い抜いていくべき存在」として見たほうが、その憧れの存在との関わり方は面白くなるし、距離も縮まったりするものです。
そう、自分が憧れているメンターとは、「いつかは追い抜いていくべきライバル」なのです。繰り返しますが、そう見たほうが間違いなく、いろいろと面白いことが起こります。