「成功したテレビ番組やイベントほど、振り返ると最初の企画書は驚くほど簡素なんだよね」
こう語っていたのは、『「考え方」の考え方』の著書である指南役の草場滋さん。
これは本当にそのとおりで、僕が今まで見てきた企画書にも当てはまり、雑誌や広告、イベントや映像を問わず、最終的に成功したものは簡単な数枚の企画書でまとめられていたりします。でも、その数枚でしっかりと企画がイメージできて、考えた人の熱量も伝わってくるのです(もちろん、正式に受注するタイミングで、多少の肉付けが必要になる場合はあります)。
企画書だけでなく、文章やスピーチも同じですが、説明が長くなってしまうときは、考えが整理できてない場合が多い。よく考え抜かれた企画であれば、自然と絞り込まれ、企画書のボリュームも少なくなり、メッセージに熱量もあるので、無駄にディテールにこだわろうともしなくなるものです。
ボリュームを増やそうとしてしまう。
ディテールにこだわり過ぎてしまう。
説明が長くなってしまう。
はっきりとしない言い回し(言葉選び)になってしまう。
これら4つの「〜してしまう」が“にじみ出てしまう”企画書は、書き手に自信がなく、まだ考え抜かれていないという証拠。もちろん、メッセージ性もなければ、メッセージに書き手の熱もこもらない…。つまり、相手の心にも響かない。
そう、書き手の熱が宿る企画書は、実は驚くほどに、簡素だったりするのです。