昨日の講座で、Skima信州の編集長 信州さーもんさんが学生たちに向けて「この本はオススメなので、ぜひ読んでみてほしい」と言っていた本、『あなたの話はなぜ「通じない」のか(山田ズーニー著)』を、さっそく松本駅近くの本屋で買ってみました。
その冒頭には、こんな一節が書かれています。
『「何を言うか」よりも、「だれが言うか」が雄弁なときがある』
そして、続けて以下の例文が書かれていました。
『ついに宇宙とコンタクト(日本経済新聞)』
『ついに宇宙とコンタクト(東京スポーツ)』
だれが言うかとは、つまりこういうこと。同じことを言っているのに、受け取り方が違う。「伝える」とは何か? を考えるとき、話し方や書き方のテクニックや手法を学ぼうとする人は多いのですが、テクニックや斬新な手法を知っていたとしても、そこに信頼関係がなければ、伝わらなかったりする。そう、情報を発信する「自分」というメディアへの信頼がなければ、伝えたいことは伝わらないのです。信州さーもんさんも昨日、その重要性についてお話をされていました。
話を聞いてもらえる信頼関係。
積み上げてきた圧倒的な実績(=説得力)があったり、相手と時間をかけてコミュニケーションができれば、「話を聞いてもらえる信頼関係」を築くことはできますが、そもそも圧倒的な実績を持っている人も少ないし、誰とでも長い時間をかけて、関係性を築けるわけでもない…。
では、諦めるしかないのか? いや、そんなことはありません。
相手の話を真剣に、そして、明るく、楽しそうに、驚くところは素直に驚き、新しい学びを得たときはその昂りを素直に表現する。そう、相手が話すことがどんどん楽しくなるような、素直なリアクションで話を聞くことができる人は信頼をされるし、次に自分が話す(伝える)番になったとき、そこに小さな信頼関係が生まれている。「あなたが言うなら…」と、自分の言葉を受け取ってもらえるようになる。
伝えるテクニックや手法を学ぶことも大事。でも、それ以上に大事なのは、聞いてもらう人との信頼関係を、どうやって築いていくか? を考えることのほうが、ずっと大事なのです。できることは、いろいろとあるものです。