今日は面白い事例をひとつ紹介したいと思います。
僕は昨日まで、「生姜糖」の職人さんの撮影のため、島根県出雲市にいました。
ニッポン手仕事図鑑は自費で映像を制作しているので、交通費や宿泊費はできる限り抑えたい…。なので、本当は「羽田空港⇔出雲縁結び空港」間で移動したかったのですが、かなり高額になるため、「羽田空港⇔広島空港」で移動して、レンタカーで出雲入りする行程を組みました。結果、3分の2くらい(半額近く?)まで支出を抑えることができたし、カメラマンともじっくりと話ができたので、よかったな、と。
でも、本当は…。
「どうせ安く移動するなら、面白いネタをつくりたい」が僕のポリシーなので(ちょっと前には、秋田⇔札幌間をフェリーで移動しました)、今回は『サンライズ出雲』で移動したかった…。
なぜ、サンライズ出雲にしなかったのか?
うちのスタッフがカメラマンさんに「月曜日の早朝の飛行機ではなく、“日曜日の夜”に“移動する”スケジュールでどうでしょうか?」と聞いたところ、カメラマンの答えは「NO」だったので、実現しなかったのです。
で、ここからが面白い事例なのですが、帰りの車の中で「本当はサンライズ出雲で移動したかったんですよー」とカメラマンに話したら、断ったはずのカメラマンが「僕もサンライズ出雲に乗りたかった。なんで、それにしなかったんですか。乗りたかった!」と。
もちろん僕は、「えっ!?」となりました。
聞いてみると、「“日曜日の夜”に“移動する”スケジュールでどうでしょうか?」をカメラマンは、「19〜20時くらいに出発するスケジュールは厳しいな…」と勝手に解釈をしてしまったのです。
でも、サンライズ出雲の出発時間は22時。その時間なら全然問題ないし、逆にサンライズ出雲に乗れる! とわかっていたら、19〜20時でも調整をしていた、と。
つまり、「“日曜日の夜”に“移動する”スケジュールでどうでしょうか?」では「NO」だった答えが、「“日曜日の22時”に“サンライズ出雲で行く”スケジュールでどうでしょうか?」と聞いていたら、「YES」だった。もし19時出発だったとしても、気合で調整していた、と。
伝え方、言葉選びが変われば、相手の答えが変わる。
大事なのは、曖昧な部分を、はっきりと伝えること。面白い部分を、しっかりと伝えること。
「伝える」を考えるときに、とても面白い事例だと思ったので、ご紹介させていただきました。最後にもう1度繰り返しますが、伝え方、言葉選びが変われば、「相手の答えが変わる」ことがあるのです。