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会話が「下手な人」と「上手な人」の“言葉の選び方”の違い

僕が下手くそだと定義するインタビューは、相手に「そうですね」とだけ返事をさせる質問をすることです。
たとえば、職人さんに対して、「◯◯には200年の歴史があって、その技法は昔から変わらず、しかも古くからある◯◯を原料として使い、つくられているんですよね?」というような質問。

 

こう聞いてしまうと、職人さんは「そうですね」で終わってしまう。もちろん、そこに情報を付け加えてくれる職人さんも多くいらっしゃいますが、でも、上記の質問は、インタビュアーの持っている知識が正しいかどうかの“確認作業”でしかない。

 

インタビューとは、その人の心の中にある言葉を引き出すコミュニケーションなので、コミュニケーションが生まれない質問をするインタビューは下手くそだと、僕は常に自分自身に言い聞かせています。

 

会話が下手な人は、相手が“返せない”言葉を選ぶ人。
「なんだか、難しいことを言っているなぁ…」と感じる人もいると思いますが、そんなに難しくはなく、選ぶ言葉ひとつで変わることです。

 

有名な話ではありますが、僕もよく利用するスターバックスではお客さまが来店されたとき、店員さんは「いらっしゃいませ」ではなく、「こんにちは」と言います。
それは、「いらっしゃいませ」には会釈程度しかできないけど、「こんにちは」には「こんにちは。いい天気ですね」「こんにちは。今日も元気がいいね」などと返事ができて、コミュニケーションが生まれるきっかけになるから。

 

そう、ちょっとした言葉の選び方の違いで、相手とのコミュニケーションは格段に変わる。
今、自分が相手にかけた言葉に、相手は相槌や会釈だけで終わるか? それとも、相手の言葉を引き出すきっかけになっているか? 会話が上手な人は、相手から言葉を引き出すのが、とても上手なのです。