たとえば、ふたりの野球選手がいるとします。
どちらが成功すると思いますか?
1年目も、2年目も、3年目も、とにかく試合に“だけ”出場し続けたA選手。
1年目は筋トレや走り込みを中心に体の基礎をつくり、2年目はバッティング練習や守備の練習で基本的な技術を磨き、3年目から試合に出場することになったB選手。
答えは分かれると思いますが、おそらく「B選手」と答える人が多いはずです。なぜなら、体ができていないと技術を磨こうとしても身につかないし、バッティングや守備の練習をして基本を身に付けなければ、試合で結果なんか出せないからです。
みんな、それを知っている。
でも、ビジネスマンの自分自身に対しては、なぜか“A選手”と同じ道を行こうとしてしまう…。
「若手」と呼ばれる時代に、すぐに結果を出そうとして、基礎もつくらず、練習で基本も身に付けず、試合(=実践、実務)だけをやっているビジネスマンが多いと感じています。30歳がひとつの節目になりますが、そういうビジネスマンがいわゆる「若手」と呼ばれる時代を卒業したとき、基礎と基本が身に付いてなく、厳しい状況に置かれるケースをたびたび見てきました。ちなみに、政府が発表している「社会生活基本調査」によると、日本のビジネスマンの1日に勉強する平均時間は、“6分”…これが現実です。
20代に求められる結果の多くは、若さと勢いだけ“でも”出せる結果。でも、30代で求められる結果は、礼儀や配慮といった、人とのコミュニケーションの能力なども含めたビジネスマンとしての基礎と、専門性を身につける土台となる基本的なスキルがなければ、出すことができないものです。だから、早く結果を出したいと思えば思うほどに、ビジネスマンとしての「基礎」「基本」を大事にしてほしいと思うのです。
すぐに結果を出そうと考える20代の行動と、40代になったとき、結果を出したいと考える20代の行動では、何を学び、何を磨くかの視点が全然違うので、日々の行動も当然違ってきます。今、40代になった僕の個人的な考えを書くと、後者を意識して20代を過ごしたほうが、未来は確実に拓けてくる。10年後の自分のために、今、どんな勉強が必要? どんな練習が必要か? これは20代、30代だけでなく、僕ら40代も改めて本気で考えてみるべきことかもしれません。