自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

「技術力が高い=心を動かせる」ではない

“伝える人”を増やしていくことで、
日本のものづくりの未来のために、
何か小さくても波を起こせるのではないか。

 

そんな思いつきから「とりあえず、小さなところからやってみるか!」とはじめた『ニッポンものづくりフィルムアワード』が、
このような素晴らしいイベントになるとは、正直自分自身もまったく想像していませんでした。

 

産地の職人さんや生産者さんと、映像クリエイターがつながるきっかけとなり、表彰式では協賛企業や一般参加者ともつながってくれました。“隠れ目玉”として用意していた表彰盾は錫職人と、南木曽ろくろ細工職人のコラボで制作し、コサージュはニッポン手仕事図鑑を立ち上げて間もない頃に出会った、越前和紙でお花をつくる職人さんにつくってもらいました。その方々と来場者がつながったことも、個人的にはとても嬉しく…。とにかく、たくさんの“つながり”を生み出すことができた表彰式になりました。

 

そして、朝の情報番組の「スッキリ」に取り上げられたこともあり、来年に向けて、いろいろなお話もいただけるようになりました。こんなうねりが起きるとは…。本当にありがたいです。

 

さらに、もうひとつの自慢は、こちらのツイートにもあるように…。

 

企画から運営までを外部に頼らず、すべてを“イベントのプロではない”僕らの会社の社員によって、実行したのです。「ここまでの精度でできるのか…」と、他人事のように驚いたくらいで…。

 

情熱。
アワードを開催して思ったのは、イベントの運用はもちろん、映像作品も
被写体に想いがあり、クリエイターが本気で向き合い、“強い言葉”を引き出すことができれば、「技術は拙くても力のある作品になる」ということ。映像クリエイターからすれば、それが映像の面白さでもあり、難しさでもあり、技術だけで乗り越えられないという辛いところかもしれません…。

 

何かを成し遂げようとするとき、人は技術を磨きます。でも、技術だけでは心を動かすことはできない。表彰式も外部の専門業者にお願いをしたら、もっとスムーズに進行できたかもしれませんが、僕が今、自信を持って断言できるのは、来場者や審査員に「本当に素晴らしい表彰式だった!」と言わせることができたのは、僕らのスタッフのみで企画、運営をしてきたからだ! ということです。

 

歌などもそうですが、相対的に歌唱力があるからと言って、心に響くわけではありません。映像もイベントも同じで、「技術力が高い=心を動かせる」ではないということを、僕らはいつも忘れてはいけないな、と。そんなことに気づかせてくれた、素敵な表彰式でした。関わってくれたすべての人に、感謝です。