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明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

長い文章を“読む体力が落ちている”時代だからこそ、「企画書は手描き1枚」であるべき

今、テレビドラマの視聴率が苦戦を強いられている中、朝ドラが好調であることを、「1話10分という時間が、今の時代に合っているから」だと分析する人がいます。

 

インスタやTikTokなどの動画の尺は短いし、youtubeでも尺の長い映像はあるものの、1本あたりの尺は基本的には短い。だから、映像を“観る体力”が落ちているというわけです。僕もその分析は、一理あると思っています。事実、僕らが本格的に映像制作をはじめた5年前と今を比較しても、クライアントも視聴者も、求める映像の尺は短くなったと感じることが多いからです。

 

映像の話は、このくらいにしておいて…。

 

これは映像だけでなく文章も同じで、長い文章を“読む体力”が落ちている人は、確実に増えました。
SNSで文章に触れる機会は意外に多く、文章を読むことへの抵抗感はないものの、それはSNSならではの、「短い文章」に限ってのこと。長い文章を読む機会が減ったこともあり、長い文章となると、拒絶反応を起こしたり、集中力がなくなる人が多くなったと実感します。

 

それは若い人だけでなく、40代、50代も同じ。だから、今の時代の企画書は、シンプルかつコンパクトが通りやすい。ひと昔前は“必要以上に”市場を分析したデータが事細かく載っているような、分厚い企画書が好まれていました。でも今は、決断も行動も、スピードが勝負な時代。長ったらしい企画書を書いた時点で、読むまでもなく「はい、却下!」と捨てられてしまうケースが多々あります(いまだに長い企画書が好まれるケースは、事実としてありますが…)。

 

今回、「ニッポンものづくりフィルムアワード」の審査員をお願いした、元情熱大陸プロデューサーの福岡元啓さんの著書『情熱の伝え方』にも書かれていましたが、日々プロデューサーが目を通す情熱大陸の企画書の中には、箸袋の裏側に書いたものもあって、それが採用されたこともある。核心をついていれば、それで十分だと。

 

そう、大切なのは、どんなに言葉を重ねるかではなく、どんな言葉を削って、でもしっかりと自分たちの意図や、企画の価値を伝えられるか? 変化のスピードが早く、あらゆることにスピードが早い時代だからこそ、企画書は手描き1枚でも、しっかりと伝わる企画書が書ける人が残るのです。


企画書は、手描き1枚