禅では「不立文字」と言って、言葉で教えること、伝えることが難しいことに、言葉を多用してしまうという意味の禅語があります。どんなに言葉を尽くしても、結局は似て非なるものしか伝えられない、と。つまり、仏様の教えなどは、師の心から弟子の心へ直接伝えられるものである、ということです。
最近はジブリの話が多くて恐縮ですが、ジブリの作品では、本当に大事な場面は登場人物のセリフ(=言葉)でなく、人物の動きや表情で表現することが多いと言われます。事実、プロデューサーの鈴木敏夫さんも『禅とジブリ』の中で、「やっぱり大切なことは、言葉で説明したくない」とおっしゃられています。
僕らのようなレベルの、いわゆる一般的なリーダーが教えられることと、仏様の教えを一緒にしてはいけないのは重々承知ですが、それでも今日書いておきたいと思ったのは、部下や後輩に何かを伝えるとき、何かを教えるときは、自分が言葉を“多用してしまうこと”ほど、大切なことが伝わりづらい、相手に伝わっていないかもしれないということです。
言葉で伝えることは、言うまでもなく大事です。
でも、自分の動きや表情で見せること、そして、見せて、感じさせること(心から心に伝えていくこと)も同じように、いやそれ以上に、リーダーが大切にしなければならないことなのかもしれません。そう、自戒を込めて書いておきたいのは、“口だけ”ではダメだということです。
何が正しいかはわかりませんが、リーダーとして忘れてはいけない姿勢、覚えておくべきヒントを、禅語から、そして鈴木敏夫さんから教えてもらった気がしました。
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