「失望」という言葉の意味。まさに字のままで、望みを失うことであり、期待が外れて、がっかりすることです。
今日、僕はツイッター上で、ふたつの「失望」を目の当たりにしました。
ひとつは、料理研究家の河瀬璃菜さんのツイート。
カルチャー系の雑誌から
— 河瀬璃菜 りな助(料理研究家) (@Linasuke0508) February 27, 2019
「河瀬さんの活動内容を伺いつつ料理風景を取材させてください」
という依頼を受けて快諾したのに、いざ撮影現場に行ったら
「胸の谷間をもっと見せてください」「童貞を誘惑するような顔をしてください」
など当初の依頼と全く違う性的なことを求められました。
そのツイートに対して、僕はこんなツイートをしました。
職人さんたちも同様に、
— 大牧圭吾|ニッポン手仕事図鑑 (@by_waterman) February 27, 2019
取材というものに
失望させられた経験から、
メディアを遠ざけてしまう人がいる。
それも産業の衰退の、
ひとつの原因になっていると思う。
読者や視聴者が喜べば
何でもいいわけじゃない。
まずは被写体を喜ばせることから。
伝えることを、
自分たちの使命だと思うなら。 https://t.co/lK8s2gZvEF
河瀬さんも、メディアの取材に「失望した…」という話を僕に聞かせていただいた職人さんも、メディアの取材に対して、「この情報発信から、何かが生まれるかもしれない」と、希望を抱いたわけです。でも、河瀬さんの期待は裏切られ、僕に話をしてくれた何人かの職人さんたちは、「まさか、あんなことをやらされるとはね…。もう、メディアの取材はいいや…」と、失望をされていました。
そして、もうひとつ。
幻冬舎社長の見城徹さんのツイート。
NewsPicksが今までパートナーシップを組んでやって来たNewsPicks Bookを突然、自分たちだけでやると通告して来た。どれだけ幻冬舎を利用して来たと思っているんだ。この会社には義理、仁義、礼儀、恩義といった「義」に関するものが一つもない。今は勢いが良くてもこういう会社は必ず滅びる。
— 見城 徹 (@kenjo_toru1229) February 27, 2019
事の真相は、部外者の僕にはわかりませんが、大事な社員たちが辛い思いをしたこともあり、見城さんはNewsPicksに失望をされていました。
このふたつの「失望」に触れて感じるのは、少なからず「“誰か”の行動を、制限する情報発信」になっているということ。これは本当、悲しいことです…。
個人で活動している女性の方は、メディア取材の依頼に躊躇することにもなるし、職人さんたちもまた同じように、メディア取材を躊躇したりする。NewsPicksBookを手に取ろうと考えていた消費者は、書籍や雑誌の購入を躊躇することで、学びの機会を失うことになる…。そう、そこには、たくさんの躊躇が生まれる。
誰かひとりを失望させるということは、目の前の対象者だけでなく、いろいろな人に影響を与えているのです。それは僕らメディアだけでなく、ひとりひとりのビジネスマンが、そしてひとりの人間として、意識するべきこと。簡単なことではないですし、僕もまだまだできていないことがある…。でも、忘れてはいけないのです。ひとりへの失望が、多くの人の希望を奪っている可能性があるということを。
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