小心者であることを認めようとしなかったり、恥ずかしく思ったり、情けなく思ったり…。若いときは特に、そんなふうに思ってしまう人が多いのではないでしょうか。
自分が小心者であることを、30歳半ばになって、ようやく素直に認められるようになりました。というよりも逆に、それが自分の“アドバンテージになる”と、ある人の言葉をきっかけに、思えるようになりました。
日々いろいろな仕事をしていますが、どんな仕事をやっているときでも、小心者の自分がいつも顔を覗かせます。「めちゃくちゃ酷評されたらどうしよう…」「大切なお金を使ってくれているのに、成果が出ないと申し訳ない…」「『もっといい企画を出してくれると思ってたのに…』と、期待を裏切ったらどうしよう…」などなど。そんな自分をいつも、情けない、カッコ悪いと思っていました。20代のときは特に。
そんな弱音を、ある人にぽろりとこぼしてしまったことがありました。
そのときに言われたのが、「それが強みでしょ。小心者だから、とことん一生懸命考えられるし、提案する人の気持ちにも敏感になれる。小心者であるのはね、むしろアドバンテージなんだよ」というひと言。「ドキッ」と言えばいいのか、「ズキッ」と言えばいいのかよくわからない、複雑な気持ちになったことを覚えています。
小心者であることを素直に認めることができなかったときは、どこか逃げていたり、言い訳を探していたような気もします。
でも、その言葉をもらって、小心者であることを素直に認められるようになってからは、「怖いなら、もっともっと考えよう」「怖いなら、もっともっとちゃんと準備をしよう」と、前向きに小心者である自分と向き合えるようになりました。それができるようになってからは、小心者の自分が納得するまで、とことんひとつの仕事に向き合えるようになりました。周囲からの評価も、変わってきました。
小心者であるのは、情けなくて、カッコ悪いことではありません。むしろ、誇るべきことなんだと、それを伝えたい人がいたので書いてみました。そう、大切なのは、小心者である自分を認められるかどうか。そこなのです。