一昨日の記事で書いた河瀨直美さんの講演の中で、強く印象に残った言葉があったので、今日はその言葉をテーマにしてみたいと思います。それは、河瀨さんご自身がとても大切にされていること。
「ゴリ押ししない」
河瀨さんは映画作家としてだけでなく、なら国際映画祭のディレクターなども務められていますが、それらの仕事を通して地域の人々と触れ合っていく中で、このことの大切さを日々実感されているのだと思います。
私も地方自治体のお仕事をさせていただいていますが、地域で暮らす人々と一緒に何かをやっていくとき、確信を持って「こうしたほうがいい!」と言えることでも、ゴリ押しをしたらうまくいかない。どんなに素晴らしいアイデアでも、ゴリ押しは地域の人に共感もされず、協力も得られない。そう、素晴らしいアイデアもうまくいくかどうかは、周囲の人の共感と協力が大きく影響します。
これはBtoBのビジネスでも同じ。
秀逸な企画も、ゴリ押しになってしまうとうまくはいきません。極端な話ですが、逆にあまりよくない企画でも、周囲の人の協力を得られることができれば、大きな成果を上げられたりもします。そう、何よりも大切にしなければならないのは、周囲の人たちの想いです。自分の考えやアイデアに自信があればあるほど、どうしても実現をさせたいという思いが強くなるもの。その結果、ゴリ押しになってしまうこともある。自分自身もこれはやってしまいがちで…反省です。
社会に貢献できる仕事や、大きな成果を上げられる仕事の多くは、ゴリ押しではなく、共感と協力とともに進むものです。そんな当たり前で、でも忘れてしまいがちな大切なことを、河瀨さんは思い出させてくれました。
「ゴリ押ししない」。地域活性の仕事をするひとりとして、来年の大切なキーワードにしたいと思います。