最近、強く自分に言い聞かせていることがあります。
それは、「深く考えることと、難しく考えることは違う」ということ。
自分ひとりで企画を悶々と考えているときだけでなく、誰かとディスカッションをしているときにもそう思うことがあるのですが、シンプルに考えるべきことも、自分自身で“あえて”難しくしてしまっていることがあります。
なぜ、そんなことをしてしまうのか?
ひと言でいうと、「逃げているから」です。
ひとつのことを深く掘り下げて考えることは、時に苦痛を感じるくらい、精神的に辛いことです。だからこそ、そこから逃げたくなるので、本当に解決しなければならない課題から目を背けて、広く“あれもこれも”と考えようとします。何となく考えている気分になれるからです。でも当然、答えは何も出ずに、物事だけがどんどん複雑になるわけです。これが恐ろしいのは、“無意識にやっている”ということです。
仕事をやっている以上、課題はいくらでも見つかります。課題がいくつもあれば、それをすべて一気に解決したくなる。そう、そんなことはできるわけがありません。目の前にある課題はひとつずつ、深く考えて、解決していくしかない。あれもこれもと物事を難しく考えても、何も解決しないのです。一部の天才ならできるかもしれませんが…。
深く考えることと、難しく考えることはまったく違います。考える力があると言われ、難しい課題を解決することのできる人は、ひとつのことをシンプルに、深く、粘り強く考えられる人だと思うのです。