「決めてあげるサービス」が、今後もっと求められるようになる。
そんな分析をされていたアナリストがいました。私もそう思います。
例えば、あのジャパネットたかた。消費者から支持される理由は多々ありますが、私は「決めてあげている」が非常に大きなポイントになっていると思っています。
どういうことか。
パソコンを購入しようとして、家電量販店に行ったとします。売り場には国内外のメーカーが並び、価格帯もバラバラ。店員さんも丁寧に説明はしてくれるけど、機能の違いを聞いても「わかったようで、よくわからない…」という人はきっと多い。
その点、ジャパネットたかたはパソコンを1商品に絞り込み、シンプルに「ここがスゴい!」「こんな使い方ができる!」と、とことん言い切ってくれる。テレビを観ている消費者は「あの高田社長が言うのだから、たぶん間違いはないだろう」と購入する。実際にジャパネットたかたは、オススメできる商品を厳選して売っているそうなので、大きな後悔をすることはない(はず…)。
この「決めてあげる」が、ジャパネットたかたの強みであり、消費者に支持されるポイントだと思います。
どんなことにおいても、今は情報があまりに多く、選択肢も増え続けているので、「決める」ことがなかなか難しい…。だからこそ「これがいい!」と決めてあげるサービスが求められ、それと同じくらいに、決めてあげられる人も必要とされる。
以前、「10年後になくなる仕事」という記事を書きましたが、どのような職種というよりも、「決めてあげられない仕事」が今後は淘汰されるのではないでしょうか。ふと、そんなことを思いました。
豊富な選択肢を用意してくれることも確かに魅力ではありますが、「これだ!」というひとつのものを、自信を持ってオススメしてほしいというニーズがきっと、今後ますます高まってくる。小売りだけでなく、すべてのビジネスにおいて。
だからこそ、個人的には今まで以上に「決めてあげる」を強く意識したいと考えています。その視点を持っていれば、この先の仕事はもっとうまくいくはずです。
90秒にかけた男