自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

誰かの「成功事例」や「失敗事例」から学びを得るときに、忘れてはいけない大切なこと

「自分の未来への成長につなげたい」
「自分のプロジェクトを成功させたい」

 

そんな思いを抱き、誰かの「成功事例」や「失敗事例」から学びを得ようとする人は、とても多いと思います。僕もその姿勢には、大賛成です。先輩たちの成功や失敗の事例の中には、たくさんの学びがある。

 

でも、それらの事例から学ぶとき、決して忘れてはいけないことがあります。それは「本人から話を聞く」ということです。

 

僕の周囲の人の話をします。
たとえば、僕が所属している会社の代表に、「なぜ、5年前は渋谷の雑居ビルの狭い一室で、しかも社員が7~8名しかいなかった会社が、今では50名規模の会社にまで成長できたのか? どんなことを考え、行動してきたのか? どんな失敗をして、どう乗り越えてきたのか?」と、話を聞きに来る経営者がいます。

 

たとえば、雑誌『TURNS』のプロデューサーの堀口さんに、「なぜ、40歳になってから『TURNS』を立ち上げようとしたのか? どうやってここまでのブランド力をつけることができたのか? どんな失敗をして、どう乗り越えてきたのか?」と、話を聞きに来る若者がいます。

 

それらの問いに対して、僕やTURNSのメンバーであれば、“それなりに”回答することができます。でもそれは、「本人から実際に話を聞くこと」に比べたら、60~70点くらいの回答でしかありません。日々密度の濃い時間を過ごしている仲間や社員であっても、そのレベルなのです。事実、正直に書くと、弊社の代表と僕が同じ場にいるとき、代表がニッポン手仕事図鑑の話をしてくれることがよくあるのですが、「ちょっと、ニュアンスが違うんだけどなぁ…」と思ってしまうことはやっぱりあります。それは代表が悪いのではなく、誰が話してもそうなるです。僕が代表の経営者のストーリーを話しても、同じことになるように。

 

そう、その本人が語る成功事例、失敗事例の中に、本当の意味での学びがある。そして、他人では埋められない30~40点の中に、あなたがほしい情報が隠されているのです。

 

自分の成長のために、自分のプロジェクトの成功のために、耳を傾けるべき成功事例や失敗事例とは、誰かが“編集”をした情報ではなく、本人が自らで語った情報。誰かの「成功事例」や「失敗事例」から学びを得たいと考えている人は、これを忘れてはいけないのです。