僕のツイートには正直、あまり多くの「いいね」がつかないのですが、久々に100いいねを超えたので、今日はそのネタを使わせていただくとします。せっかくなので…。
そのツイートとは、こちらです。
日本の漆の今。
— 大牧圭吾|ニッポン手仕事図鑑 (@by_waterman) 2019年7月2日
国内の漆器で使用されている
漆の98%は、中国産の漆です。
そして、残りの2%のうち、
7割を生産しているのが岩手県。
そんな岩手の漆かき職人さんも、
今では20名程度。これが現実。
で、ここで言っておきたいのは、
中国産の漆の品質は、
決して悪くないということ。
(続く)
(続き)
— 大牧圭吾|ニッポン手仕事図鑑 (@by_waterman) 2019年7月2日
中国産の品質は悪くないし、
日本産には日本産の個性がある。
だから、どちらがいいかでなく、
どちらも残しながら、
日本の漆器を応援したい。
とはいえ、
日本の漆の産地は厳しい。
でも諦めずに、
僕らは僕らでやれることを
地道に丁寧にやっていきたい。#漆の産地#国産の7割は岩手
これ、少し調べればわかる事実をありのまま書いただけですが、いつも以上にいいねがついたのは、中国産の漆の品質について、言及をしたからだと思っています。
国産の漆を守りたいという思いが強いあまり、中国産=品質が悪いと表現する人たちがいて、正直僕も「I LOVE 日本」なので、国産の漆を推したい…。でも、本当に中国産の漆の品質は良くて、事実、そのコストパフォーマンスから中国産の漆を使用している漆器職人さんが、日本全国にいるわけです(本当に品質が悪かったら、いくら安くたって使うわけもなく…)。
僕が忘れたくないと思うのは、ただ「国産の漆がいい!」と推すのでなく、このような現状を踏まえて、どのように国産の漆を守っていくか? を考えていくこと。それが大事だと、このツイートで伝えたかったのです。その思いが伝わったからこそ、いいねを押してくれる人、リツイートしてくれる人が、いつもより多かったのだと思います。
このツイートに対して、『想いのしおり』の西野さんが、このようにコメントを返してくれました。
そう、中国産=悪、ではなく。
— にしの まな (@smailexxxmm) 2019年7月2日
中国産、日本産、どちらもよし悪しがあるからこそ、用途によって使い分ける。
それぞれを見る必要があるんですよね。 https://t.co/iEMlYebLfI
「それぞれを見る」
シンプルな言葉ですが、僕はとても素敵な表現だと思いました。
今は「差別化」「独自化」が強く叫ばれる時代で、何でもかんでも優劣をつけようとする傾向にあります。何かを選んで、何かを捨てるという選択が迫られることが、ビジネスシーンでは確かにありますが、でもひとつの考え方として、“それぞれを見て”、場合によってはどちらも選ぶという考え方を持っていると、心の余裕も、可能性も、広がっていくような気がするのです。たとえば、今「二拠点生活」をしている人が増えましたが、都心か? 地方か? でなく、それぞれを見て、二拠点という選択をしたのです。
「差別化」「独自化」で、ビジネスで勝っていくことも大事。でも、「それぞれを見る」という考えで勝っていくことも、これからの戦略だと思うのです。