人は、弱いものです。
夢に向かって全力で生きたくても、心が折れてしまいそうなときはあるし、かっこよく生きたくても、「どうせ俺なんて…」と、開き直ってしまいたいときもある。
でも…。
やっぱり、人生は1度きり。「もっと、やりたいことをやって、生きればよかった…」なんて、死ぬときに思いたくないし、夢に向かって全力になりたいし、かっこよくも生きたい。
それでもやっぱり、人は、弱いもの。くじけてしまいそうなときがある。諦めてしまいそうなときもある。
そんな弱い自分の、ブレないとまでは言えませんが、軸をつくってくれた「道標」が、僕にはふたつあります。今日はそのふたつを、ふと書いてみたいと思ったので、つらつらと書き綴ってみます。
ひとつ目は、「10歳(一世代)上の、憧れの人を持つ」です。
「ただただ、かっこいい! 憧れる!」「こういうふうに生きたい」と、そんなふうに思える人。身近な人でなくてもいいし、具体的にどこを真似するわけでなく、漠然と、「こんなふうになりたい」と、憧れる人を見つける。
僕の場合は、それが三浦知良さん(1967年生まれ 51歳)だったり、松浦弥太郎さん(1965年 53歳)だったり、小山薫堂さん(1964年 54歳)だったりする。
仕事への考え方やスタンス、その立ち居振る舞いや身だしなみを見て、ただただ憧れるわけです。でも、そういう人がいて、「あんなふうに、かっこよく生きたい」と思うだけで、気持ちの持ち方や日々の過ごし方が変わるものです。僕は10歳上の、そんなかっこいい大人を見つけたことで、弱い自分を支える軸をつくってもらえたと思っています。
でも、なぜ10歳上?
そのくらい年齢が離れていないと、僕の場合は純粋に憧れることができないからです。同じステージにいることもあるので、ライバル視してしまったりして、純粋に憧れることができなかったりする…。そう、ライバルにはならない、素直に憧れることができる人は、僕の場合、10歳くらい年齢が離れている人なのです。10歳上の、ただただ憧れの人を見つける。結構オススメです(ちなみに、同性がいいです!)。
さて、ふたつ目は、「死ぬときに、棺桶に入れるものを決めておく」です。
僕は常々、仲のいい人たちに「自分が死んだとき、棺桶の中には、愛用の万年筆と書き心地のいい紙、そして自分が書いた本を入れてもらいたい」と、自己暗示をかけるように、言い続けています。
自分の本を出すという最大の夢と、自分の人生の生き方において、大事にしているスタイルを決めて、棺桶を目指す。時に何が大事かわからなくなり、ブレそうになる自分の夢やスタンスを、支えてあげることができます。僕が『子どものためのニッポン手仕事図鑑』を出版できたのは、間違いなく、この自己暗示のおかげだと断言できます。
棺桶に入れるものは、変わってもいい。でも、最後はどう生きたと言いたいかを決めておくと、人生はほんの少し、心地よく、生きやすくなるんじゃないかな、と。
これはあくまでも、自分自身の話。誰にでも当てはまるものではないと思います。
何を書きたかったかというと、人は本当に弱くて、支えになるものが必要だということです。だから僕の弱くて、ブレそうな軸を支えてくれるものを共有してみました。参考になればと思いまして。