自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

新人よりも、“新人”であれ

「とにかく、あいつを見ておけ!」

 

これは、ある企業の話です。
「私は誰を見て、学べばいいでしょうか?」と聞いてきた新入社員に対して、その企業の経営者は「あいつ=20代中盤の社員」を名指しして、「とにかく、しっかりと見ておけ! あいつを見ておけば、大丈夫だ!」と言ったそうです。

 

その20代中盤の社員は、まだ周囲をうならせるほどの結果も出しておらず、スキルもまだまだ未熟で、これから磨いていく段階の社員でした。
それなのになぜ、経営者の自分でもなく、第一線で活躍する30代や40代の社員でもなく、20代中盤の社員を名指ししたのか? その社員だけを見ておけば大丈夫だ! と言い切ったのか。

 

その社員が「新人よりも“新人”」だったからだそうです。

 

どういうことか?
見本として名指しされたその社員は、10代の頃に入社をしたのですが、学ぶ姿勢も、人との接し方も、学びたい! 成長したい! という情熱も、入社してから数年経っても、新入社員だったときと全然変わらなかったそうです。

 

その会社には、情熱的で、希望に満ちた新入社員が多数入社してくるのですが、そんな新人社員たちよりも、情熱的で、希望に満ちていて、学ぶ姿勢も初々しかった。経営者は入社してから数年経っても、「新人よりも、新人である」ことが何よりも大切で、それが成長するために一番必要だと考えていたので、「しっかりと見ておけ!」と言ったのです。

 

事実、見本となった20代中盤の社員は、30代、40代の社員たちを抜き去り、名だたる企業の経営者からも支持されるような人材になった。そう、経営者の目は、正しかったのです。

 

「新人よりも、新人であれ」
新人と呼ばれていたときのような姿勢で学び、好奇心を持ち、何事にも情熱的に取り組む。その期間が長ければ長いほど、人は成長し、飛躍できる。

 

30代、40代の皆さん、ここは恥ずかしがらずに、今一度、世の中の新人よりも、“新人”になってみませんか? 言うは易しで簡単ではありませんが、僕ももう一度、新人に戻りたいと思います。