スポーツの話であれば、地道に練習することが大事で、試合を通して経験をすることも欠かせないと、多くの人は違和感なく、スッと腹落ちすると思います。そう、練習と試合のバランスは大事だ、と。
でも、ビジネスの話になると、それを意識できなくなる人が、極端に少なくなってしまうような気がします。
たとえば、僕たちがやっている中央省庁や地方自治体のお仕事。
僕たちは映像、WEB、パンフレットの制作が多いのですが、それらのお仕事は直接指名されることは少なく、いわゆるプロポーザル方式(=コンペ形式)で決まります。募集要領と仕様書を読み込み、企画を考えて、限られた時間の中でプレゼンをする。多数の参加企業の中から、1社だけ選ばれ、ようやくお仕事を担当させていただけるようになるわけです。
だから、プロポーザルで勝つことは、僕らのビジネスにおいては、とても重要なこと。
恥を晒すと、僕もプロポーザルに参加しないか? と声を掛けられるようになってから、意気揚々と参加をしてみたのですが、なんと最初は3連敗をしました…。「これ、いつまでも勝てないんじゃないか?」と、猛烈に自信を喪失したのを覚えています。でも、“四度目の正直”で何とか勝ててからは、今も負けることは多いのですが、ちょこちょこと勝てるようにはなりました。
なぜ、勝てるようになったかというと、間違いなく「練習」と「試合」をバランスよく続けたからです。
プロポーザルに参加するだけで、アイデアの出し方、文章の表現方法、企画書の書き方、プレゼンのテクニックなどの“自主練習(独自の勉強)”をしなければ、1回も勝つことはできなかったと思います。
逆に自主練習ばかりを続けて、年に1回しかプロポーザル(=試合)に参加しなかったら、それはそれで、間違いなく勝てるようにはならなかった。
ストレートに書くと、世の中には思っている以上に、試合ばかりをしている人も多いし、練習ばかりしている人も多い。それではいつまで経っても、勝てるようにはならないし、仕事ができるようにもならない。大切なのは、「練習」と「試合」をバランスなのです。