「比較対象がないと、人は意思決定ができない」
これは、わたしの恩師である人がよく言っていた言葉です。
たとえば、わたしが持っている万年筆。
とても気に入ってずっと使っていますが、万年筆を買うとき、この1本だけを見せられても「よし、これを買おう!」と決めることが難しい。他の万年筆をいくつか見せてもらい、比較をすることで、「これに決めよう!」と意思決定ができるのです。
比較対象がないと意思決定ができないとは、こういうことです。
でも逆に、選択肢が多すぎても、人は迷いすぎて、意思決定ができない。どれにするか決められず、最終的には“決めること”をやめてしまうこともある。目的を持って買い物に出掛けても、迷いすぎて何も買わない(買えない)ということは、誰にでも1度は経験があると思います。そう、比較対象が“ありすぎても”、人は意思決定ができないものなのです。
これは買い物だけでなく、自分自身の「行動力」「決断力」にも言えることです。
比較対象となる選択肢がないと、「よしっ、やろう!」と行動に移せなかったりしますし、選択肢が多すぎてもまた、迷い、行動に移せなかったりする。
「行動力や決断力がない」と言われる人は、意思決定ができない人。よくよく話を聞いてみると、他の選択肢がなかったり、選択肢が多すぎたりする。だから大切なのは、選択肢がない場合は対抗馬となる選択肢を探し、選択肢が多すぎる場合は、直感でもいいから適正な数まで(個人的には2~3個)選択肢を絞り込むこと。
行動力や決断力がないと悩む人は、“選択肢の数”を意識してみるといいと思います。